WooCommerceの使い方:WordPressでのECサイトの設定方法

WooCommerceは、本格的なオンラインストアを構築するための最も人気の高いWordPress向けプラグインです。売上や在庫の管理から、顧客データの取り扱いなど、幅広いeコマース機能を提供しています。
この記事は、これからWooCommerceを使ってオンラインビジネスを始めようとお考えの方にぴったりの内容となっています。WordPressが初めての方でも、経験者の方でも、この初心者向けガイドを活用して、今すぐオンラインストアを立ち上げましょう。
まず最初に、多くのeコマース事業者がWooCommerceを選ぶ理由から見ていきましょう。
WooCommerceが選ばれる理由
500万以上のWordPressユーザーが、ECストアを作成するためにWooCommerceを導入しています。その理由は以下の通りです:
- WordPress向けに設計 ‒ WooCommerceはWordPressのネイティブ機能とスムーズに連携させて、WordPressの管理パネルからストアを簡単に運営できます。
- 低コスト ‒ 無料機能を活用してWooCommerceストアを構築することで、初期費用を抑えることができます。
- 高い拡張性 ‒ 無料・有料の拡張機能やテーマが豊富に用意されており、規模や業種を問わずあらゆるビジネスニーズに対応できます。
- 幅広い用途に対応 ‒ WooCommerceはサブスクリプションやサービスなどのデジタル商品を含む、さまざまな商品タイプに対応しています。
- セキュリティ機能を内蔵 ‒ WooCommerceでは、クレジットカード情報を自サイトのデータベースではなく決済プロバイダーのサーバーに保存することで、安全な取引を実現しています。また、定期的なアップデートの提供や、セキュリティ機能を強化する拡張機能の開発も行われています。
- 充実したサポート ‒ WooCommerceのサポートチームには、チャットやチケットシステムを通じていつでもアクセスできます。そのため、万が一のトラブル時でもダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。また、ユーザーがご自身でストアを簡単に管理できるように、豊富なガイドとナレッジベースも用意されています。
WooCommerceストアの設定方法
このセクションでは、WordPressサイトをWooCommerceでプロフェッショナルなECストアに変えるためのステップを順を追ってご紹介します。
1. WooCommerceプラグインをインストールして有効化
WooCommerceをインストールする方法は2つあります。Hostingerの1クリックセットアップを使う方法と、WooCommerceプラグインを使用する方法です。まずは簡単な方法から順にご紹介します。
HostingerのWooCommerceオンボーディングフロー
HostingerはWordPress.org推奨のレンタルサーバー提供会社であり、オンラインストアをすばやく立ち上げたい事業者向けにWooCommerce向けホスティングプランを提供しています。
料金は月額469円からとなっており、すべてのプランにワンクリックでWooCommerceをセットアップできる機能に加え、無料ドメイン、暗号化通信のためのSSL、そしてWebサイトの表示速度を向上させるコンテンツ配信ネットワーク(CDN)が含まれています。
弊社のレンタルサーバーを購入後、以下のステップに従ってWooCommerceを設定してください:
- セットアップウィザードで、新規Webサイトの作成を選択し、WordPressアカウントのログイン情報を入力します。
- Webサイトの種類には「オンラインストア」を選択してください。
- Webサイトの外観については、簡単にカスタマイズでき素早く公開が可能な事前構築されたテンプレートを選ぶのがおすすめです。自分でページやコンテンツをデザインしたい場合は、標準テーマを選択することも可能です。

- ブランドに合ったオンラインストア用テンプレートを選択しましょう。テンプレートにカーソルを合わせ、「プレビュー」をクリックすると、実際の見た目を確認できます。

- WooCommerceなど、オンラインストア向けにあらかじめ用意されたプラグインの中から選択します。

- AIコンテンツ生成機能を使えば、Webサイトにオリジナルコンテンツを自動で追加できるため、よりスピーディーにストアを立ち上げることができます。自分で後から作成する予定がある場合は、このステップをスキップしてもかまいません。

- 年間のホスティングプランを購入すると、無料のドメイン名を取得できます。新しいドメインを登録するまでの間、一時ドメインを使用することも可能です。
- Webサイトのパフォーマンスを最適化するために、ターゲットオーディエンスに最も近いデータサーバーを選択します。
- WordPressおよびWooCommerceのインストールが完了すると、自動的にhPanelダッシュボードへリダイレクトされます。
- 「管理パネル」を選択して、WordPressのダッシュボードにアクセスしてください。

- 「オンラインストアを設定する」→「ストアを設定」を選択すると、HostingerのWordPress向けプラグインを活用して設定プロセスを簡略化できます。

- WooCommerceからの一連の質問に回答して、ストアの所在地や販売予定の商品・サービスの種類など、ストア設定をパーソナライズします。
- WooCommerceにより無料機能のインストールを提案されますが、ストアを軽量に保つためにこのステップはスキップすることをおすすめします。
- これで完了です。あとはWooCommerceストアに商品を追加していきましょう。

WooCommerceプラグインを使用する方法
この方法は、WordPressに対応しているすべてのレンタルサーバーで利用可能です。ただし、HostingerのWooCommerceオンボーディングフローとは異なり、テーマや対応プラグインのインストールに加え、Webコンテンツの作成も個別に行う必要があります。
以下はWooCommerceプラグインのインストール方法です:
- WordPressのインストールと初期設定を完了させ、管理パネルにアクセスします。
- 左側のサイドバーの「プラグイン」タブを開き、「新規追加」を選択します。
- 検索バーに「woocommerce」と入力してeコマースプラグインを検索し、「今すぐインストール」→「有効化」をクリックします。

- 「WooCommerce」タブに移動し、ストア情報を入力してセットアップウィザードを完了します。
豆知識
HostingerのBusinessおよびクラウドサーバープランには、AIを活用したWordPressオンボーディングフローが含まれており、Webサイトをよりスムーズかつ迅速に立ち上げることができます。
2. 新しい商品を追加
オンラインストアに新しい商品を追加するのは、ブログ投稿を作成するのと同じくらい簡単です。以下のステップで行えます:
- WordPressのダッシュボードから「商品」→「新規追加」を選択します。
- 商品名と詳しい商品説明を入力します。

- HostingerのWooCommerceオンボーディングフロー中に事前選択されたプラグインをインストールした場合、AIOSEO設定がその下に表示されます。このセクションでは、商品ページがGoogleの検索結果でどのように表示されるかをプレビューできるほか、メタディスクリプションのカスタマイズや、WooCommerceストアのSEOを強化するためのフォーカスキーフレーズの追加も行えます。

- 「商品データ」セクションまでスクロールし、商品タイプを以下の中から選択します:
- 基本的な商品 ‒ 単品で配送され、追加オプションのない商品に適しています(例:書籍など)デジタル商品を販売する場合は「バーチャル」にチェックを入れ、購入後にダウンロード可能にする場合は「ダウンロード可能」にもチェックを入れてください。
- グループ化された商品 ‒ 複数のシンプルな物理商品をセットにしたものに適しています(例:食器セットなど)。
- 外部/アフィリエイト商品 ‒ 自身のオンラインストア上で紹介するが、実際の販売は他サイトで行う商品に使用します。
- バリエーションのある商品 ‒ サイズや色など、異なるバリエーションがある商品に適しています。
商品タイプに応じて、価格、在庫状況、属性などの基本情報を忘れずに入力しましょう。

- 「商品の簡単な説明」セクションには、商品の概要を簡潔に入力します。このテキストはWooCommerceの商品ページ上部に表示されます。商品説明の書き方については、商品説明作成ガイドを参考にしてください。
- 右サイドバーでは、商品画像のアップロード、適切なカテゴリーやタグの設定を行いましょう。商品写真の撮影に関するガイドもあわせて確認することで、コンバージョン率の向上につなげることができます。
- ページの外観に満足したら、「プレビュー」で確認し、「公開」をクリックしてください。以下はその例です:

すべての商品の一覧は「商品」→「すべての商品」から管理できます。各商品にカーソルを合わせると、「編集」「削除」「複製」などの操作が可能です。

3. 決済方法を設定
適切な決済方法の導入は、コンバージョン率、ブランドの信頼性、ユーザー体験を向上させる上で非常に重要です。カゴ落ちを防ぐためにも、ターゲットオーディエンスに敵した信頼性の高い決済ゲートウェイのみを選ぶようにしましょう。
WooCommerceにはさまざまな決済ゲートウェイが用意されていますが、なかでもWooPaymentsは特に優れた選択肢のひとつです。このWooCommerce公式の決済ゲートウェイは、デビットカードやクレジットカード決済に加えて、135種類以上の通貨に対応したローカル決済手段も受け付けています。また、GooglePayやApplePay、「今すぐ購入して後払い(BNPL)」といった決済オプションにも一部地域で対応しており、国際的な販売にも最適です。
WooCommerceストアでWooPaymentsを設定する方法は以下の通りです:
- WordPressのダッシュボードから「WooCommerce」→「設定」に移動します。
- 「決済」タブを開くと、利用可能なすべての決済プロセッサーが表示されます。その中からWooPaymentsを選び、「インストール」をクリックして有効化します。

- 「ストアを接続する」をクリックして、WooPaymentsのセットアップウィザードを開始します。

- 有効なメールアドレスを入力し、受信箱に届いたリンクをクリックして接続を認証します。
- ビジネスの所在地、法人形態、取り扱う商品やサービスの種類を入力します。

- ECストアの年間推定収益と、開店の予定時期を共有します。

- セットアップウィザードを最後まで完了させて、WooPaymentsを銀行口座またはデビットカードと連携させます。 決済ステータスが有効に切り替われば、オンラインストアでの支払い受付が可能になります。

4. 税率を設定
税金の計算は、特に会計の専門知識がない事業者にとっては難しく感じることがあります。幸いなことに、WooCommerceでは商品ページや決済ページに税込価格を自動表示する機能が用意されています。
WooCommerceで税率を設定する手順は以下の通りです:
- WordPressのダッシュボードから「WooCommerce」→「設定」→「一般」を開きます。
- 「税金と計算を有効化」にチェックを入れ、「変更を保存」をクリックします。

- この機能を有効にすると、「設定」内に税タブが表示されるようになります。クリックして、以下のように税オプションを設定してください:
- 税込価格の表示の有無 ‒ 商品価格を税込み価格で表示するか、税抜き価格で表示するかを選択します。
- 税の計算基準 ‒ 顧客の配送先住所、請求先住所、または店舗所在地のいずれを基準に税を計算するかを指定します。
- 送料税クラス ‒ カート内の商品に基づくか、標準税率クラスを使用するかを選択します。
- ショップやカート、決済画面での価格表示 ‒ 表示価格が税込未価格か税抜き価格か、最初の設定と整合性を取るようにしてください。
- 価格表示の接尾辞 ‒ 商品価格の横に表示されるテキストを定義します。 {price_including_tax}や{price_excluding_tax}といったプレースホルダーを使って調整可能です。
- 税の合計表示方法 ‒ 複数の税をまとめて1つの合計として表示するか、明細形式で項目別に表示するかを選択できます。

- 設定が完了したら、「変更を保存」をクリックしてください。
- 続いて、「標準税率」「免税率」「軽減税率」の各サブタブに、該当する税クラスを手動で入力します。新しい税クラスを追加するには「行を挿入」をクリックし、複数の税クラスを一括で登録したい場合は「CSVをインポート」機能を使用してください。

以下は、税込価格が表示されているWooCommerceのショップページの一例です:

5. 配送オプションを設定
物理的な商品を販売する場合は、次のステップとしてWooCommerceの設定で配送情報を設定しましょう。
配送地域
配送地域を設定することで、地域ごとに異なる配送方法や送料を指定できます。WooCommerceでは、顧客が最初に一致する条件のゾーンが適用されるため、重複のない複数のゾーンを作成することが可能です。
配送ゾーンを作成するステップは以下のとおりです:
- WordPressのダッシュボードから「WooCommerce」→「設定」に移動します。
- 「配送」タブをクリックし、「配送地域を追加」を選択してください。

- ゾーン名を入力し、その配送ゾーンに含めたい地域を選択します。
- 次に「配送方法を追加」をクリックし、そのゾーンに適した配送方法を選択してください。

- 設定が完了したら、「変更を保存」をクリックしてください。
配送クラス
複数の商品カテゴリーを扱うストアでは、配送クラスを設定することで、カテゴリーごとに異なる送料をカスタマイズできます。 以下は配送クラスを設定するステップです:
- 「クラス」サブタブを開き、「配送クラスを追加」をクリックします。

- 配送クラスの名前、スラッグまたは他のクラスと区別するための固有の名前、説明を入力します。入力が完了したら、「作成」をクリックしてください。

- 商品に配送クラスを割り当てるには、「商品」→「すべての商品」からカスタマイズしたい商品を編集します。
- 「商品データ」セクションまでスクロールし、「配送」タブを開きます。ドロップダウンメニューから、該当する配送クラスを選択してください。

- 変更を保存するには、「更新」をクリックしてください。
- 複数の商品にまとめて配送クラスを割り当てたい場合は、「すべての商品」に戻り、対象の商品にチェックを入れます。次に、「一括操作」ドロップダウンから「編集」を選択し、「適用」をクリックします。

- 「一括編集」ページで、ドロップダウンメニューから配送クラスを選択します。設定が完了したら、「更新」をクリックして変更を保存してください。

配送設定をカスタマイズして、カートページに送料計算機を表示し、顧客が住所を入力するまで送料を非表示にし、新しいデフォルトの配送先を設定します。

6. ストアをカスタマイズ
オンラインストアの基本設定が完了したら、次はデザインを強化し、パフォーマンスを高める機能を追加していきましょう。
テーマ
他のWordPressサイトと同様に、WooCommerceストアのデザインを変更するには、テーマをインストールする必要があります。
WooCommerceマーケットプレイス、WordPressテーマディレクトリ、ThemeForestやEnvatoといったサードパーティマーケットプレイスなど、利用できる選択肢は非常に豊富です。
WordPressのテーマを変更する手順は、以下の通りです:
- 「外観」→「テーマ」に移動し、「新しいテーマを追加」を選択します。
- 「woocommerce」と検索して、利用可能なテーマを絞り込みます。テーマのプレビューを確認して、ブランドに合っているかをチェックしましょう。WooCommerceストアに適したテーマを選び、インストールして適用します。

- 「有効化」をクリックして、新しいテーマの使用を開始します。
信頼性の高い選択肢として、当社おすすめのWooCommerceテーマもぜひご覧ください:
- Astra ‒ eコマースを含むさまざまな種類のWebサイトに対応した、軽量かつカスタマイズ性の高いテーマ。
- Zigcy ‒ 衣類、家電、ジュエリー、家具などの販売に適した、WooCommerceが統合されたフリーミアムのテーマ。
- Woostify ‒ あらかじめ用意されたページレイアウトと、プロモーション動画をプレビューできるビデオギャラリーを提供。
- WooCommerce Storefront ‒ WooCommerceが自社の拡張機能との連携を前提に設計したテーマ。
テーマのカスタマイズは、WordPressのテーマエディターやページ作成ツールを使って簡単に行えます。多くのWordPress作成ツールは、ドラッグ&ドロップの操作と事前作成されたテンプレートを備えており、コードを書く必要はありません。
プラグインと拡張機能
WooCommerce Marketplaceでは、さまざまな価格帯の純正拡張機能が提供されており、オンラインストアの機能を強化できます。また、WordPress向けプラグインディレクトリやCodeCanyonなどのプラグインマーケットプレイスでも、無料および有料のプラグインを見つけることができます。
公式プラグインディレクトリからWordPress向けプラグインをインストールするための簡単な方法は以下の通りです:
- 「プラグイン」→「新規追加」に移動します。
- 検索バーを使用するか、カテゴリーで絞り込んで目的のプラグインを探し、「今すぐインストール」をクリックします

WordPress向けプラグインを過剰にインストールすると、セキュリティリスクの増加やWebサイトの表示速度低下につながる可能性があります。そのため、本当に必要なものだけを使用するようにしましょう。
以下は、eコマースにおすすめのWooCommerceプラグインの一部です:
- OptinMonster ‒ ドラッグ&ドロップでカスタムポップアップを作成できるポップアップ作成ツールを提供し、コンバージョン率の向上に貢献します。
- All In One SEO (AIOSEO) ‒ WooCommerceサイトのSEOを改善するための分析と実用的な提案を提供します。
- WPForms ‒ あらかじめ用意されたテンプレートとドラッグ&ドロップ作成ツールで、フォーム作成を簡単にします。
- HUSKY Products Filter ‒ 価格やカテゴリなど、さまざまな属性で商品を絞り込めるフィルター機能を顧客に提供します。
7. WordPressストアを管理
ECサイトを立ち上げるための最後のステップは、注文、顧客、分析、クーポン、システムステータスの管理方法を把握することです。
顧客管理
「WooCommerce」→「お客様」にアクセスすると、顧客の総支出額や平均注文額(AOV)などの購入データを確認できます。
ドロップダウンメニューから「1人の顧客」を選択すると、個別の顧客情報を閲覧できるようになります。レポートをエクスポートするには「ダウンロード」をクリックしてください。

注文管理
「WooCommerce」→「注文」から、eコマースストアで受けたすべての注文を管理できます。注文のステータスを更新したり、一括操作機能を使って複数の注文をまとめて削除することも可能です。注文リストをクリックすると、クーポンの適用、返金処理、注文内容の編集などが行えます。

ストア分析
アナリティクスセクションでは、売上日別の推移や売上上位の商品など、ストア運営に役立つ主要な指標を確認できます。
日付範囲を指定することで、特定期間内のストアパフォーマンスに関するデータを取得することも可能です。

「アナリティクス」内の「商品」や「売上」などのサブメニューにアクセスすることで、ECストアのさまざまな側面について詳細なインサイトを得ることができます。
クーポン管理
常連客に特典を提供して、リピート購入を促すためにクーポンを活用しましょう。

クーポンの作成・管理は、「マーケティング」→「クーポン」から行えます。
WooCommerceに搭載されたクーポン作成機能では、各クーポンコードに対して、割引額、有効期限、割引タイプを設定することができます。
利用制限タブでは、クーポンの最小額や利用上限額、対象となる商品カテゴリーなどを設定できます。
また、使用数制限タブで、クーポンの発行数を管理するのも忘れずに行いましょう。

システムステータス
「WooCommerce」→「ステータス」→「システムステータス」にアクセスすると、WordPressサイト上のシステム設定や現在の状態を確認できます。不具合の特定やトラブルシューティングに役立つ情報を把握することができます。

「ツール」のサブタブでは、ユーザー権限の変更や、カスタマーセッションのクリア、WooCommerceのデフォルトページの作成など、ストアのさまざまな要素を操作するためのボタンが用意されています。

「ログ」タブには、WooCommerceストア上で発生したすべてのイベントが記録されています。
設定をカスタマイズすることで、ログの保存期間や重要度レベルを調整することができます。

WooCommerceでよくある問題のトラブルシューティング
パフォーマンスの高いオンラインストアは、優れたユーザー体験を提供し、販売機会の損失を減らすことにつながります。
そのためにも、以下に紹介する一般的なWordPressの問題とその対処法を確認しておきましょう。
サイトの表示速度が遅い
ページの読み込み時間は、ユーザー体験やコンバージョン率に直接影響します。最適なパフォーマンスを保つために、定期的にWebサイトの速度をテストし、すべてのストアページが3秒以内に読み込まれるようにしましょう。
WooCommerceの速度最適化を行うには、以下のような方法が有効です:
- WooCommerceに最適化されたホスティングサービスへ切り替える
- 高速なWooCommerceテーマをインストールする
- 使用していないプラグインや拡張機能を削除してサーバーリソースを節約する
- 再訪問ユーザー向けに同じWebサイトデータの再読み込みを避けるため、WordPressキャッシュを有効化する
購入手続きの不具合
キャッシュエラーにより、決済前にカートの中身が消えてしまうことがあります。そのような場合には、W3 Total Cacheなどのキャッシュプラグインを使ってWordPressのキャッシュをクリアしてみましょう。キャッシュプラグインをインストールしたら、「Performance(パフォーマンス)」→「Dashboard(ダッシュボード)」に進み、「Empty All Caches(すべてのキャッシュを空にする)」を選択します。

決済時に顧客がログアウトされてしまう場合は、セッションのタイムアウト設定が原因である可能性があります。コードを書かずにセッションの有効期限を調整したい場合は、LoginPressのようなログインページカスタマイズプラグインを使うのがおすすめです。「LoginPress」→「Settings(設定)」にアクセスし、新しいセッションの有効期限を入力してください。

ユーザーセッションをより柔軟に管理したい場合は、WooCommerceのClear Cart and Sessions拡張機能(月額4.09ドル)の導入を検討してみてください。
メール通知が届かない場合
WooCommerceでは、注文ステータスの変更やアカウント情報の更新があった際に、顧客へ自動でメール通知を送信します。また、注文の受信やキャンセル時には管理者にも通知されます。
これらの通知設定は、「WooCommerce」→「設定」→「メール」から管理できます。

問題は、WordPressがメール送信に使用しているmail()関数には、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)認証が備わっていないことです。そのため、受信者のメールクライアントによって、送信したメールがスパムとして扱われてしまう可能性があります。
メールの配信成功率を向上させるには、WordPressでSMTPを設定するのがおすすめです。
当社のガイドでは、WP Mail SMTPプラグインを使ってその設定方法を詳しく解説しています。
商品表示の不具合
新しいWooCommerceテーマに切り替えた後にストアページの表示が崩れてしまっている場合は、テーマ間の競合が原因かもしれません。一度、以前のテーマに戻して問題が解消されるか確認してみてください。もし元のテーマで正常に表示されるようであれば、「外観」→「テーマ」でテーマの更新漏れがないかをチェックしましょう。

次に、WooCommerceが正しいストアページを表示しているかを確認しましょう。
「WooCommerce」→「設定」→「商品」に移動し、「ショップページ」が正しくリンクされているかをチェックしてください。

カタログ表示設定が正しくない場合も、商品表示の不具合につながることがあります。 「商品」→「すべての商品」に移動し、確認したい商品を編集します。「公開」セクションで、カタログの表示設定を「ショップおよび検索結果」または「ショップのみ」に設定してください。

画像の読み込みが遅い、サムネイルサイズが正しく表示されないといった画像関連の問題の解決方法については、当社のWordPress画像最適化ガイドをご覧ください。
アップデートに関連する問題
WordPressのアップデート後に不具合が発生した場合は、バックアップから復元し、本番サイトに影響を与えないようにステージング環境でアップデートをテストしてから適用するのが安全です。この方法は、プラグインやテーマの互換性に関する問題を修正する際にも有効です。
Hostingerをご利用の場合は、hPanelの「ファイル」→「バックアップ」からWebサイトを以前のバージョンにロールバックできます。
HostingerのWooCommerce向けのホスティングプランの場合はすべて、毎日の自動バックアップと手動バックアップ機能が含まれており、面倒な作業なしで安全にサイトを管理できます。

さらに、Hostingerでは「WordPress」→「ステージング」からアクセス可能な使いやすいステージングツールをご用意しています。
新しいプラグインやテーマ、カスタムコードは、本番環境で公開する前に複製したサイトでテストすることで、ユーザー体験の一貫性を保ち、ダウンタイムのリスクを最小限に抑えることができます。詳しい手順は、当社のWordPressステージングサイト設定ガイドをご覧ください。


セキュリティ上の懸念
WordPress本体・テーマ・プラグインを常に最新の状態に保つことで、オンラインストアのパフォーマンスが向上するだけでなく、WordPressのセキュリティ強化にもつながります。
古いソフトウェアは脆弱性の原因となってしまい、ハッカーの攻撃対象となる可能性があります。
Wordfenceのようなセキュリティプラグインを導入すれば、安全性をさらに高めることができます。
多くの高評価のWordPressセキュリティプラグインには、マルウェアスキャン、ファイアウォール保護、ブルートフォース攻撃の防止などの機能が備わっています。
まとめ
WooCommerceは、WordPressでオンラインストアを作成する際の最有力の選択肢となります。豊富な機能とデザインの自由度を備えたこのWordPress向けプラグインは、あらゆる業種やスキルレベルのユーザーに対応しています。
WooCommerceストアの立ち上げは、初心者でも簡単に始められます。ここで、これまでのステップを振り返ってみましょう:
- WooCommerceをインストールして有効化
- 新しい商品を追加
- 決済方法を設定
- 税率を設定
- 配送方法を設定
- ストアの機能とデザインをカスタマイズ
この記事が、WooCommerceを最大限に活用するための手助けとなれば幸いです。ご不明な点がありましたら、よくある質問セクションをご確認いただくか、下のコメント欄にお気軽にご投稿ください。また、WordPressの基本について学べる豊富なチュートリアルライブラリもぜひご活用ください。
WooCommerceの使い方に関するよくある質問
このセクションでは、WooCommerceに関してよく寄せられる質問への回答をまとめています。
WooCommerceは何に使われますか?
WooCommerceは、WordPressサイトをオンラインストアに変えることができる無料のeコマースプラグインです。物理的な商品やデジタル製品の販売、在庫や配送の管理、決済処理など、eコマースに必要な機能が備わっています。
WooCommerceで5,000商品を扱えますか?
はい、WooCommerceは5,000点以上の商品にも対応可能で、拡張性を前提に設計されています。ただし、大規模な商品カタログを管理するには、安定したサーバー環境とパフォーマンスの最適化が不可欠です。そのため、最初から信頼できるホスティングプロバイダーを選ぶことが非常に重要となります。例えばHostingerでは、月間10万~40万PV規模の高パフォーマンスなeコマースストアに対応したWooCommerce向けのホスティングプランを提供しています。
WooCommerceを無料で使うには?
WooCommerceのコアプラグインは無料で提供されており、WordPressのWebサイトにインストールするだけで、基本的な機能を追加費用なしで利用できます。ストアの機能やデザインをさらに強化したい場合は、有料の拡張機能やテーマの導入をぜひご検討ください。
WooCommerceの表示速度を上げるには?
WooCommerceのパフォーマンスを向上させるには、WordPressに最適化されたホスティングサービスを利用し、キャッシュソリューションを導入し、無効化されたプラグインをアンインストールすることをおすすめします。その他にも、画像の最適化、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の使用、WordPress本体・テーマ・プラグインの定期的な更新により、WooCommerceサイトの速度をさらに向上させることができます。