【2025年版】Webサーバーとは?仕組みをわかりやすく解説

Webサーバーとは?
ブラウザでWebサイトを閲覧するとき、その裏側で動いているのがWebサーバーです。ファイルの保存・配信を担い、ユーザーがWebサイトにアクセスできる環境を提供してくれます。メールやデータのやり取りに使われるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)といった機能も処理可能です。
自前でサーバーを構築することもできますが、レンタルサーバーを利用することで、時間や費用を大幅に節約できます。この記事ではレンタルサーバーとは何か、その重要性、代表的な例について詳しく見ていきましょう。
Webサーバーとは?
Webサーバーとは、Webページをホストするコンピュータそのものです。ユーザーがWebサイトにアクセスすると、サーバーは必要なファイルを取得してブラウザに送信し、サイトの閲覧や操作を可能にします。
サーバーには主に以下の2つの構成要素があります。
- ソフトウェア:Webサーバーソフトウェアは、ユーザーがホストされたファイルにアクセスする方法を制御します。複数の構成要素が含まれますが、必ず受信したリクエストを処理し応答するHTTPサーバーを備えています。
- ハードウェア:静的HTMLドキュメント、JavaScriptファイル、CSSスタイルシートなどのファイルと一緒にWebサーバーソフトウェアを格納します。Webサーバーのハードウェアはインターネットに接続され、他の物理デバイスとのデータ交換が可能になります。
Webサーバーの仕組み

Webサーバーとアプリケーションサーバーはクライアントサーバーモデルで動作します。このモデルでは、クライアントプログラムがサーバープログラムにリソースやサービスをリクエストする仕組みになっています。
サーバーは、World Wide Web(WWW)上でユーザーリクエストに応答する際にHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)を使用します。なお、HTTPはコンピュータ間で情報をやり取りするための通信規約です。
このHTTPリクエストプロセスによって、サーバーはサイトのHTMLドキュメントをGoogle ChromeなどのWebブラウザに配信できるようになっています。
理解しやすいように、実際のプロセスを具体的に見ていきましょう。
- ユーザーがWebサイトを閲覧する際に、ブラウザはまずサイトのファイルをホストしているWebサーバーを探し出します。
- この作業を行うため、ブラウザはDNS(ドメインネームシステム)を通じてサイトのドメイン名をIPアドレスに変換します。頻繁に訪問するサイトであれば、ブラウザはファイルキャッシュを検索することもあります。
- 対応するサーバーを特定した後、ブラウザはサイトコンテンツを取得するためのHTTPリクエストを送信します。
- サーバーはHTTPサーバーを通じてリクエストを受信・処理し、関連データを取得するためにデータベースを検索します。
- 最終的に、サーバーはファイルをWebブラウザに返し、ユーザーの画面に表示します。
HTTPサーバーがリクエストされたファイルを見つけられないか処理できない場合は、HTTPエラーステータスコードをブラウザに送信します。
最も頻発するエラーは「404エラー」であり、リクエストしたページが見つからない状態を表しています。また、権限の問題がある場合は「403エラー」が表示されることもあります。
他にも、Webサーバーがプロキシやゲートウェイとして機能する別のサーバーから適切なタイミングで応答を受信できない場合、「504エラー」が発生します。
静的サーバーと動的サーバーの違い

Webサーバーは搭載されているソフトウェアによって、静的コンテンツと動的コンテンツの両方を生成できます。
静的WebサーバーはコンピュータとHTTPソフトウェアだけで構成されている一方、動的Webサーバーは静的Webサーバーにアプリケーションサーバーやデータベースなどの追加ソフトウェアを組み合わせたものです。
静的Webサーバーはファイルに変更を加えずそのままブラウザに送信するため、ブログやポートフォリオなど固定コンテンツのWebサイトに最適です。複雑なサーバーサイド処理が不要であるため、静的Webサイトは読み込み速度が速い傾向があります。
対して動的Webサイト向けのWebサーバーは、追加ソフトウェアでホストファイルを更新し、ユーザー操作に基づいてコンテンツをパーソナライズします。ソーシャルメディアプラットフォームやECサイトに最適な選択肢です。
例えば、訪問者が商品を購入すると、動的サイトのアルゴリズムは次回訪問時に同じカテゴリの類似商品をレコメンドしてくれます。
Webサーバーを使用する理由
Webサーバーはメールの送受信、Webアプリケーションの保存、FTPリクエストの処理など、複数の作業をこなせますが、最も重要な役割はWebサイトをホストし、世界中のユーザーが利用可能な機能的でインタラクティブな環境を提供することです。
Webサイトを作成して公開するには、Webサーバーへのアクセスが不可欠です。最も手軽な方法は、レンタルサーバー会社からレンタルサーバーとドメイン名を取得することでしょう。

ホスティングサービス(レンタルサーバー)は、ファイルやデータベースを保存するためのサーバースペースを提供します。一方、ドメイン名はWebサイトの固有アドレスとして機能し、訪問者が簡単にサイトを見つけられるようにするものです。
関連記事
初心者の方は、以下の関連記事でレンタルサーバーとドメイン名の概要について学んでおきましょう。
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ドメイン名とは?初心者向けガイド
Webサーバーのセキュリティとパフォーマンスを確保するため、レンタルサーバー会社は定期的なメンテナンスを実施しています。そのため、信頼性の高いレンタルサーバーを選ぶことが重要となります。優良のレンタルサーバーを利用する主なメリットとして、以下が挙げられます。
- 高稼働率:上位のレンタルサーバー企業はハードウェアのメンテナンスとソフトウェアのアップデートを定期的に行い、Webサイトのパフォーマンスとセキュリティを最適な状態に保ちます。
- 安全なサーバー環境:効果的なセキュリティプロトコルを実装することで、レンタルサーバーは脆弱性を減らし、ホストしているWebサイトをマルウェアやサイバー攻撃から守ります。
- 多様なオプション:さまざまな機能と利点を持つ多くのレンタルサーバープランが用意されています。自分のニーズと予算に最も合うプランを選べます。
- コスト効率の良さ:非常に高額な専用サーバーを自前で維持する必要はありません。必要なサーバーリソース量だけを提供するレンタルサーバープランを選択するだけでOKです。
- 拡張性と柔軟性:Hostingerなどのレンタルサーバーでは、拡張可能なプランが提供されているため、複数のWebサイトを管理したり、必要に応じてリソースをアップグレードできます。
Webサーバーの機能
Webサーバーはブラウザからのリクエストとレスポンスの処理に加えて、以下のような重要な機能も備えています。
- ファイルのログ記録:ログファイルはリクエスト、セキュリティ、エラーログなど、サーバーが実行するイベントやアクティビティを常時追跡します。サーバーが新しいリクエストを受信するたびに、テキストの行がログに追加されていきます。
- 認証機能:多くのサーバーは、Webサイトのリソースへのアクセスを許可する前にこの機能を提供します。一般的にはユーザー名とパスワードの入力を求める形で実装されています。
- 帯域幅制限:Webサーバーの帯域幅は、サーバーが一度に転送・処理できるデータ量を指します。帯域幅制限はネットワークがファイルをスムーズに配信できるよう、レスポンスの速度をコントロールします。
- ストレージ容量:ファイル保存に利用可能なディスク領域の容量を指します。ストレージ容量はサーバーがWebサイトやWebアプリケーションをホスト・管理する能力に直結します。
- 負荷分散技術:複数のサーバーに受信トラフィックを分散させるサーバーの重要な機能です。応答時間を最小化し、サーバーの過負荷を防ぐことが主な目的です。
- 稼働率保証:サーバー稼働率はサーバーがリクエスト処理やファイル配信が可能な状態を維持する時間を追跡します。ホストしているWebサイトの可用性に直接影響し、業界標準は99.9%の保証となっています。
- プログラミング言語サポート:サーバーサイドスクリプト言語とも呼ばれ、Webサーバー上でプログラム開発・実行に使用されます。代表的な例としてPythonがあり、Hostingerの仮想専用サーバー(VPS)でもサポートされています。
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サーバーのパフォーマンスを向上させる方法をお探しですか? Webサイトの稼働時間を監視しダウンタイムを防ぐ方法についての解説記事をぜひご覧ください。
Webサーバーの種類
Webサーバーにもさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。最も一般的なものをチェックしてみましょう。
- Apache HTTP Server:Windows、Linux、macOSなど多くのOSで使える無料のオープンソースサーバーです。Apacheは、31%以上という圧倒的な市場シェアを誇り、Webサイトの所有者、開発者、レンタルサーバー企業の間で絶大な人気を誇ります。
- NGINX:当初HTTP専用に設計されたこのオープンソースソフトウェアは、現在ではリバースプロキシ、HTTPロードバランサー、メールプロキシとしても利用されています。NGINXは特に高速で、多数の接続を同時に処処理する能力に定評があり、アクセス数の多いWebサイトに最適な選択肢となっています。
- Microsoft IIS:Microsoftが開発したクローズドソースのサーバーで、主にWindowsシステムで使われています。動的でインタラクティブなWebアプリケーション開発向けのASP(Active Server Pages)をサポートしているのが特徴です。
- Lighttpd:少ないCPUリソースで高速にデータ処理ができる無料のオープンソースWebサーバーです。メモリ使用量が少なくても高いパフォーマンスを維持できるため、サーバーの応答性を損なわずに多数のリクエストを処理できる点で定評があります。
各レンタルサーバー企業は異なる種類のサーバーに対応しています。例えば、HostingerのVPSは市場をリードするApacheとNGINXの両方をサポートしており、用途に合わせて選べるのが魅力です。
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投稿や固定ページの NGINXリバースプロキシの設定方法について詳しく解説した記事も併せてチェックしてみましょう。
Webサーバーの設定
Webサーバーの設定方法は信頼性とセキュリティに直結します。最大限のパフォーマンスを引き出すため、サーバー管理者は以下のような重要タスクを実行しています。
- 設定の最適化:管理者はホストするWebサイトの要件に合わせて、キャッシュサイズ、リクエスト制限、接続タイムアウトなどのパラメータを細かく調整。これらの設定を最適化することで、サーバーは効率良くリクエストを処理し、コンテンツを素早く配信できます。
- セキュリティの強化:機密データを守り潜在的な脅威を防ぐため、管理者は強固なセキュリティ対策を実装します。具体的にはファイアウォール設定、不正侵入検知システム(IDS)、暗号化プロトコルなどが含まれ、定期的なセキュリティパッチ適用もハッカー対策として欠かせません。
- パフォーマンスの最適化:サーバー設定により、リソース配分の最適化、効果的な負荷分散の実装、キャッシュの活用が可能になります。これらの対策により、トラフィックの急増時のサーバー処理能力が向上し、応答時間が短縮されます。
Hostingerのレンタルサーバーは高度なDDoS対策とAI搭載のファイアウォールで保護されており、安全かつ高い応答性を誇るホスティング環境を提供しています。
最高速度を達成するため、NVMe SSDストレージやAMD EPYCプロセッサーなどの最新テクノロジーを採用し、業界トップクラスのHPEおよびDELLサーバーハードウェア上で運用。さらにデータセンターは4大陸に戦略的に配置されています。

Hostingerの最先端のハードウェア、先進的なセキュリティ対策、グローバルに展開したデータセンターの組み合わせにより、99.9%の稼働率保証と比類ないパフォーマンスを提供しています。

まとめ
WebサーバーはWebサイトとインターネットをつなぐ重要な架け橋です。ハードウェアとソフトウェアが組み合わさり、それぞれがファイル処理において独自の役割を担っています。
Webサーバーの最も基本的な仕事はWebサイトのホスティング、HTTPリクエストの処理、そしてWebコンテンツをユーザーへ配信することです。ApacheやNGINXが有名ですが、Microsoft IISやLighttpdなど他にも多くの選択肢が市場に出回っています。
サーバーの種類によって、ブラウザに動的 / 静的コンテンツを配信できます。静的Webサイトはすべての訪問者に同じ内容を表示しますが、動的Webサイトはユーザーごとにカスタマイズされたコンテンツを提供します。
どのような種類のWebサイトを運営するにしても、レンタルサーバープランの購入は欠かせません。レンタルサーバーの提供企業がサーバーのセキュリティとパフォーマンス維持を担当してくれるため、ビジネスのマーケティングや日々の運営など、本来集中すべき業務に時間を費やすことができます。
Webサーバーに関するよくある質問
Webサーバーについてよく寄せられる質問への回答です。
Webサーバーとアプリケーションサーバーの違いは?
Webサーバーは主にHTTPリクエストに応答し、Webページや画像などの静的コンテンツをブラウザに届ける役割を担います。一方、アプリケーションサーバーはスクリプト実行、フォーム処理、データベース連携などの動的タスクを実行し、インタラクティブなWebアプリケーションを提供します。
Webサーバーの構成要素とは?
Webサーバーはハードウェアとソフトウェアの両方で成り立っています。ハードウェアはデータ交換のためにインターネットに接続し、ソフトウェアはリクエストとURLを処理するHTTPサーバーを含みます。こうしたコンポーネントが連携することで、Webサイト、アプリ、ファイルが世界中からアクセス可能になります。
Webサーバーの選び方は?
Webサーバーを選ぶ際には、パフォーマンス、セキュリティ機能の充実度、サイトのテックスタックとの相性、管理のしやすさ、サポートオプション、価格などをチェックしましょう。まずはHostingerの共有レンタルサーバーからスタートし、必要に応じてVPSやクラウドサーバーへアップグレードするのがおすすめです。
スモールビジネスに最適なWebサーバーは?
スモールビジネスに人気のWebサーバーとしては、Apache HTTP、NGINX、Microsoft IISなどが挙げられます。どれも信頼性が高く、幅広く使われています。ただし最適な選択は、具体的なニーズやWebサイトで使用する機能に応じて変わるため、要件に合わせて選びましょう。