お客様とのつながりを深めるための15のStoryBrandサイトの例

お客様とのつながりを深めるための15のStoryBrandサイトの例

StoryBrandフレームワークを取り入れたビジネスWebサイトは、これまでに数多くの成功例があります。うまく活用できれば、その効果はしっかり作り込まれたビジネスプランに匹敵するほどです。

このフレームワークを理解して実際に取り入れるには、まずStoryBrandサイトの例を詳しく見てみるのが一番です。実際にどのように機能しているかを知ることで、自分のWebサイトを作るときにどう応用できるかがわかるでしょう。

それでは、ビジネスの参考になるStoryBrandサイト15選をご紹介します。

StoryBrandサイトとは、特定のマーケティング手法を活用してコンバージョンを高めるWebサイトのことです。StoryBrandフレームワークでは、ビジネスのメッセージを古典的な「ヒーローズジャーニー(英雄の旅)」の物語形式に置き換え、訪問者の興味を引きつけます。見込み顧客を物語の登場人物として描き、問題から解決へと進むプロセスをステップごとに導いていくのが特徴です。

StoryBrandサイトの仕組み

StoryBrandは、ストーリーテリングの手法を使ってオーディエンスとつながるWebサイトのフレームワークです。物語の流れを通じて製品やサービスを紹介し、「なぜそれが必要なのか」を訪問者に伝えます。

このフレームワークでは、顧客のストーリーや目標に共感しながら関係を築く方法を示しています。

要するに、提示するのは「問題」「解決策」「成功の結果」の3つで、すべてを顧客の視点から描くのがポイントです。最終的なゴールは、顧客が製品やサービスを利用することで課題を解決できるよう導くことにあります。

15の優れたStoryBrandサイトの例

それでは、StoryBrandフレームワークを取り入れて大きな成果を上げた15のWebサイトを見ていきましょう。当社の専門チームが数百におよぶStoryBrandサイトの例を分析し、その中でも特にこのフレームワークを効果的に活用しているサイトを厳選しました。

1. Storybrand

最初にご紹介するのはStoryBrand公式サイトです。これはStoryBrandマーケティング手法の代表的な例といえます。サイト上ではクライアントが抱える課題を直接的に示してはいませんが、「自分のビジネスをStoryBrand化して売上を伸ばしたい」と考える人をターゲットにしていることは明確です。そして、そのための解決策として「StoryBrand認定ガイドになる」または「ガイドを雇う」という2つの選択肢を提示しています。

さらにスクロールすると、ブランドメッセージの明確化から売上の向上まで、すべてのクライアントが得られる成果をわかりやすく示しています。

デザイン面では、このStoryBrand認定エージェンシーはシンプルさと独自性をうまく組み合わせています。わかりやすいメッセージを添えたシンプルなイラストを使う一方で、ヒーローセクションには自社のカンファレンス映像を配置しています。

2. Learn to Make a Product

Learn to Make a ProductのWebサイトは、StoryBrandを活用して、ユーザーが商品アイデアをデザインから販売まで市場に出せるよう支援しています。

このサイトはStoryBrandのメッセージフレームワークを忠実に取り入れており、シンプルでありながら説得力のあるカスタマージャーニーを実現しています。まず最初に提示されるのは「商品を市場に出すのは難しい」という課題です。次に、創業者のリズ・ロングを専門家として紹介し、どんな成果が得られるのかをわかりやすく説明しています。

初めてStoryBrandに取り組む時は、シンプルなMake a Productの事例からWebデザインのインスピレーションを得るとよいでしょう。このフレームワークを実際に使いこなすのは難しいこともあります。そのため、デザインそのものにこだわるよりも、まずは「顧客の体験の流れ」に焦点を当てるのがおすすめです。

3. Sharp House

これまでの例とは対照的に、Sharp Houseではデザインが主役となっています。StoryBrandフレームワークはシンプルに取り入れられており、課題と解決策を明確かつ簡潔に示しています。

なお、Sharp Houseには数多くのクライアントの声も掲載されています。対面型サービスにおいては、これが大きなセールスポイントになっています。

4. Michael Maddaus

Michael MaddausのWebサイトは、StoryBrandサイトの中でも特にユニークな例の一つです。Maddausは医師向けのライフコーチをしているため、非常に特化したニッチ分野であり、対象となるオーディエンスも限られています。そのため、オンラインでのセールスファネルを可能な限り精緻に整えることが不可欠です。

彼はStoryBrandフレームワークの「問題」の要素を強調しています。自身も同じ経験を持つ立場から、医師が直面し得る感情的な課題に焦点を当てているのが特徴です。

彼のブランドは、自身のポジティブな経験とネガティブな経験の両方を基盤にしており、それがターゲットとするオーディエンスとのつながりにつながっています。サイトの目的は、訪問者にまずは気軽なコーチングコールを予約してもらうことです。いきなりライフコーチを雇うよりも、はるかにハードルの低いアクションとして設定されています。

5. WonderCow

WonderCowは腸の健康を改善することを目的として設計されており、StoryBrandの手法に基づき、日々の体調をあらゆる面で良くしてくれると約束しています。

このWebサイトの例では、製品がアメリカ製であること、添加物不使用であること、認証を受けていることなど、重要な要素が強調されています。多くの訪問者にとって、これらは強い説得力を持つポイントとなっています。

このWebサイトのコピーは、製品の主要な成分をわかりやすく説明する明確なメッセージを打ち出しています。健康関連のサービスでは一般的に高い基準が求められるため、これは欠かせない要素です。

6. Arnic Business Solutions

Arnic Business Solutionsは「ブランドの売上向上を支援する」という非常に明確な価値提案を掲げています。同社は企業と協力し、営業チームの取り組みを分析したうえで、より多くの契約を獲得できるような仕組みを整えています。これは複雑なプロセスであり、幅広い業界のニーズに対応できる営業経験者が必要とされます。

このWebサイトがテクノロジー企業に専門性を示す方法の一つは、適切な言葉を用いると同時に、データセキュリティへの取り組みを強調している点です。

このStoryBrandサイトは、理想の顧客像とつながるために、ストーリーテリングの語り口をオーディエンスに合わせて工夫している好例です。

7. Dallas Oasis

結婚式場を選ぶことほどストレスの大きい決断はなかなかありません。Dallas Oasisは、その選択がクライアントにとって大きな意味を持ち、安心して任せられる専門家を探していることをよく理解しています。だからこそ、このStoryBrandサイトでは、最先端の設備を備えたラグジュアリーなウェディング会場として自らを打ち出しています。

さらにDallas Oasisは、自社を信頼できる専門家として示すために、推薦している企業のロゴを掲げるという非常にわかりやすいメッセージを発信しています。

このようなタイプのビジネスでは、実際の利用者の声に焦点を当てるのは賢い方法です。これから結婚式を考えるカップルは、他のイベントがどのように行われたのかを知りたいと思うからです。そこでこのWebサイトでは、過去のイベントの写真を大きく取り上げ、訪問者に見学予約や日程確保を促しています。

8. Dow Land

Dow Landは、土地の販売に精通していない人にとって、そのプロセスが不安に感じられることを理解しています。そこで同社は、StoryBrandフレームワークを活用し、手続きは複雑ではないとお客様に伝えています。

このWebサイトの例では、プロセスをシンプルなステップに分解し、訪問者に「何が起こるのか」を明確に示しています。単に電話を促し、相手が質問に答えてくれるかも分からない状況に頼るよりも、はるかに優れたアプローチといえるでしょう。

StoryBrandの基本原則の一つは「物語を複雑にしすぎないこと」です。多くの企業は、詳しく読み込まなければどんなサービスを提供しているのか分からないWebサイトを作ってしまいがちです。コンバージョンを目指すなら、シンプルで使いやすいデザインにすることをおすすめします。

9. Trainertainment

Trainertainmentは、パーティープランナーや子ども向けエンターテイナーといったエンターテインメント事業者に対して、マーケティング戦略の改善や売上拡大のサポートを行っています。こうしたニッチなサービスであるため、この公式WebサイトではStoryBrandフレームワークを活用し、ターゲットとなるオーディエンスとのつながりを築いています。

このブランドが他のStoryBrandサイトの例と異なる点は、課題の捉え方です。ひとつの内部的な問題に焦点を当てるのではなく、複数の問題がどのようにつながっているのかを示しています。

StoryBrandサイトを作る際には、この方法が「今すぐ課題を解決しなければならない」とユーザーに訴えかける有効な戦略になることを覚えておきましょう。

10. Koha Pet

eコマース向けのStoryBrandサイトの例に関心がある方には、Koha Petがおすすめです。このブランドが示している課題は、ペットの中にはドライフードだけでは元気に育たない子がいるということ。Koha Petは、それを解決する方法として、ペットが喜んで食べられる健康的なウェットフードを提供しています。

このStoryBrand公式Webサイトの例では、デザインが大きな役割を担っています。フードの見た目を前面に出し、セールスページの中心に据えているのが特徴です。

Kohaは、ペットの写真を添えて利用者の声を効果的に紹介しています。ちょっとした工夫ですが、それによって訪問者は他の顧客がこの商品についてどう感じているのかを見てみたくなるのです。

11. Tie Boss

Tie Bossは、クライアントが抱える課題をしっかりと見つけ出し、強調している優れたStoryBrandサイトの一例です。商品が解決できる問題をすべて挙げることは、その開発において重要なステップですが、多くの企業はマーケティング戦略の中でそれを取り入れていません。

このWebサイトの例は、課題が必ずしも感情的だったり曖昧だったりする必要はないことも示しています。ストーリーテリングで効果的なのは、結び目をほどくのに苦労するといった、華やかさはなくても誰もが日常で経験するような身近な場面であることもあります。ブランドがすべきなのは、適切な商品を使えばそうした悩みを解消できると証明することです。

12. Motivated Mornings

先延ばしの習慣を断ち切るのは簡単なことではなく、多くの人は自分だけではうまくいきません。Motivated Morningsは、取り組んでいる内容に関わらず物事をやり遂げられるようにするフレームワークをお客様に提供しています。これは、日常生活に無理なく取り入れられるプロセスを用意することで実現されています。

このStoryBrandのWebサイトで大きな役割を果たしているのは、プロセスのシンプルさです。長時間コーチと話す必要はなく、Motivated Morningsでは短いビデオ通話やバーチャルワークスペースを提供しています。

さらに、お客様は望む成果を達成できるよう支援するためのコミュニティにも参加できます。サイト全体を通して「一人ではない」と安心できるように設計されており、先延ばし癖を克服する大きな助けとなっています。

13. The Happy Sleeper

新米の親にとって、子どもを寝かしつけるのは世界で一番難しい仕事のように感じられることがあります。The Happy Sleeperは、子どもを眠らせる方法を見つけるためのコースを親向けに提供しています。

新米の親向けの情報はオンライン上にあふれているため、このようなビジネスでは専門性を確立することが欠かせません。The Happy SleeperはStoryBrandを活用し、その専門性を物語として構成しています。背景や実績を親しみやすい形で伝えることで、安心感を与えているのです。

訪問者が安心できると感じたら、コースを見てみたり、ニュースレターに登録したりするよう促されています。

14. Parkland Direct

Parkland DirectはStoryBrandのテンプレートを活用し、封筒を魅力的に見せています。目指しているのは、特別なデザインの封筒を通じて企業の郵便物の開封率を高めることです。

これは、多くの企業が直面している「郵便物をスパムだと思われてしまう」という大きな課題に対する、非常にニッチな解決策です。いまだに物理的な配送が必要な文書やメッセージは存在するため、Parkland Directはこの問題を解決するストーリーを打ち出しています:

このようなクリエイティブ系のビジネスでは、お客様の個別のニーズに対応できることを示すことが大切です。Parkland Directは、さまざまなプロジェクトでの事例を紹介することでそれを実現しています。これは、ポートフォリオにStoryBrandフレームワークを活用する賢いやり方といえます。

15. Nephesh Pilates

最後にご紹介するNephesh Pilatesは、ヒーローイメージから始まり、メリット、課題、解決策、そして成果へとつなげる形で、StoryBrandフレームワークをしっかりと取り入れています。

運動を始めることにハードルを感じる人も多いため、このWebサイトの例では「お客様の現状を理解し、体をより快適にするサポートをする」という形で課題を示しています。

シンプルな提案ですが、新しく身体活動を始める多くの人にとって効果的です。また、このWebサイトには複数の受講者の声も掲載されており、専門性の信頼性を高めています。

StoryBrandサイトを作り、顧客とつながる方法

StoryBrandフレームワークを使うことで、顧客の課題や、そこに至るまでの経緯、そして解決への期待を理解していることを示し、見込み顧客とつながることができます。StoryBrandは次の原則を強調することでそれを実現しています:

  • 顧客が求めているものを定義する – 見込み顧客が何を望み、どんな動機で行動するのかを見極める。
  • 顧客の課題を特定する – 見込み顧客が直面している問題を把握し、自社の製品やサービスでどう解決できるかを理解する。
  • 求められる存在になる – 見込み顧客が問題を解決するためのガイドとして、自社ブランドを位置づけ、築き上げる。
  • 明確な計画を立てる – ユーザーが目標を達成する方法を、わかりやすく簡潔に示した計画を用意する。
  • 行動を促す ー 明確な行動喚起ボタンを用意して、ユーザーに次のステップを踏むよう促す。

このプロセスの目的は、顧客に成功をイメージしてもらい、その実現のためにどのような支援ができるのかを理解してもらうことです。名前が示す通り、StoryBrandはストーリーテリングが中心です。商品について魅力的なストーリーを語る方法を見つけることができれば、販売にもつながります。

Hostingerのサイト作成ツールを使ってStoryBrandサイトを作るには、次のステップを踏みましょう:

  • テンプレートを選ぶ – StoryBrandのメッセージやスタイルに合ったテンプレートを選択する。
  • デザインをカスタマイズする – ドラッグ&ドロップの操作でテンプレートを調整し、ブランド要素をレイアウトに組み込む。
  • 魅力的なコンテンツを作る – 見出しを明確にし、課題に触れ、解決策を強調するなど、StoryBrandの原則をコンテンツに反映させる。
  • CTAを実装する – 行動喚起ボタンを戦略的に配置し、登録や購入といった行動につなげる。

さらに、AIライターやヒートマップなどの初心者にも使いやすいAIツールを活用すれば、訪問者の共感を得て、ブランドとの有意義なつながりを促す魅力的なStoryBrandサイトを作ることができます。

まとめ

StoryBrandは、成功を保証する公式でも、トラフィックを増やすための仕組みでもないということを理解しておくことが大切です。これは、ビジネスのストーリーを効果的に伝えて売上につなげるための方法を整理したフレームワークです。これらは、多くの企業がウェブサイトを立ち上げた当初には実践方法が分からない重要な技術です。

この記事で紹介しているStoryBrandサイトの例は、それぞれ異なる形でStoryBrandフレームワークを取り入れています。特に、Learn to Make a Product、Michael Maddaus、Dow LandのWebサイトは、フレームワークを最初から最後までしっかり実践しており、自分のStoryBrandサイトを作る際の指針として大いに参考になります。

また、皆さんが見つけた「役立つ」「刺激を受ける」と感じるStoryBrandサイトの例があれば、ぜひコメント欄で共有してください。

StoryBrand Webサイトの例に関するよくある質問

StoryBrandフレームワークやその仕組みについて疑問が残っている方のために、ここでお答えします。

StoryBrandサイトはどうやって作ればいいですか?

StoryBrandフレームワークを始める一番の方法は、公式コースを受講することです。このコースでは、フレームワークを構成する7つの要素について学び、それをどのように実践してビジネスを成長させるかを理解できます。必要であれば、StoryBrandの公式サイトから専門家を紹介してもらうことも可能です。

また、Webサイトの構想を形にするには、Hostingerのサイト作成ツールを使うのがおすすめです。

StoryBrandフレームワークの7つの要素とは何ですか?

StoryBrandフレームワークは、物語を通して顧客を望むゴールへと導きます。その構成要素は7つあり、キャラクター(ヒーロー)、課題、ガイド、計画、CTA(行動喚起)、リスク、そして成功のビジョンです。これらを組み合わせることで、明確で説得力のあるセールスファネルが出来上がります。

Author
著者

Yukako Washisaka

こんにちは、Yukaです。バイリンガルの翻訳者として15年以上活動しています。アメリカではグラフィックデザインを学び、そこから翻訳の道に進みました。言葉を通じて文化と人をつなぐことにやりがいを感じていて、「伝わる」翻訳を大切にしています。 プライベートでは、家族とドライブに出かけたり、美しい景色を写真に収めたり、愛犬のトイプードルとのんびりお散歩するのが好きです。 このプロジェクトに関われることをうれしく思っています。私の翻訳が少しでもお役に立てれば光栄です。