WordPressは無料で使える?費用に関わる要素を徹底解説

WordPressは無料でダウンロードして使えますが、Webサイトを立ち上げて運営するには追加の費用が必要となります。特にWordPressを初めて使う場合は、事前に費用を把握しておくと、予算を効果的に立てられるようになります。
この記事では、WordPressサイトの作成にかかる費用について詳しく解説し、価格に関するよくある誤解を解消します。また、WordPressがどのように収益を得ているのか、そして無料で利用できるものについてもご紹介します。
WordPressは無料で利用できる?
WordPressはオープンソースソフトウェアなので、基本的に無料で使えますが、ドメイン名、レンタルサーバーに加え、必要に応じて有料テーマやプラグインなど、別途費用がかかります。
WordPressにはWordPress.comとWordPress.orgの2種類があり、選ぶプラットフォームによってWebサイト費用が大きく変わってきます。最適な選択ができるよう、2つのプラットフォームの違いについて詳しく見ていきましょう。
WordPress.com

WordPress.comはAutomattic社が運営するサービスであり、WordPressサイトのレンタルサーバーを代行してくれます。つまり、自分でレンタルサーバーを探したり管理したりする手間がかかりません。
WordPress向けのプランを提供する他のレンタルサーバー会社と同様に、段階的なサブスクリプションモデルを通じてさまざまな機能が提供されます。始め方もシンプルで、アカウントを作成してプランを購入するだけなので、初心者でも簡単に利用できます。
無料プランも用意されており、厳密に言えば無料でWordPressサイトを作れます。ただし、サイトの成長に影響するさまざまな制限があるのも事実です。
例えば、無料プランではストレージが1GBに制限され、カスタマイズオプションもかなり限られています。広告やアフィリエイトマーケティングで収益を得ることはできず、逆にWordPress.com側でユーザーの閲覧するWebサイトに広告を表示してしまいます。
また、無料ユーザーはwordpress.comのサブドメインしか使えないため、本格的なブランディングにはあまり適していません。
独自ドメインでブランドを育てたり、WordPressサイトで収益を上げることを求める場合は、有料プランへの移行が必要となるため、月額4〜45ドルの費用が発生します。
WordPress.org

WordPress.orgは無料のオープンソース版WordPressです。GNU一般公衆利用許諾書(GPL)の下で運営されており、ユーザーは自由にソフトウェアを使用、修正、配布できる仕組みになっています。
WordPress.comとの大きな違いは、ユーザー自身でホスティングする必要のあるセルフホスティング型であるという点です。つまり、Webサイトを構築・運営するにはレンタルサーバーとドメイン名を契約しなければなりません。また、ソフトウェアの更新やWebサイトコンテンツのバックアップなど、すべて自分で管理する責任も生じます。
その代わり、WordPress.orgではWebサイトのデザインや機能を制限なく利用できます。自由にカスタマイズしたり、豊富なプラグインを追加したり、希望する方法で収益化できます。
多くのユーザーがWordPress.orgを利用しているため、この記事ではこちらのバージョンに焦点を当てて詳しく解説していきます。
WordPressで無料で利用できるもの
WordPressでは、今後のアップデートも含めて、コアのオープンソースソフトウェア、テーマ、プラグインの3つの主要な機能が無料で提供されています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
WordPressコアソフトウェア
コアソフトウェアはWordPressの公式サイトから無料でダウンロードできます。その後、レンタルサーバーのアカウントに手動でWordPressをインストールします。
HostingerのWordPress向けホスティングプランなら、WordPressが自動的にインストールされるので手間いらず。 さらに、当社のオンボーディングツールを使えば、数分で完全に機能するWordPressサイトを簡単に作れてしまいます。

無料のテーマ
WordPressテーマは、Webサイトの外観とレイアウトを制御するファイル群のことです。通常、ページテンプレート、フォント、カラーオプション、さまざまなカスタマイズ可能なサイト要素やウィジェットが含まれています。
公式のテーマディレクトリには12,000種類以上もの無料のWordPressテーマが存在しており、サードパーティのマーケットプレイスであればさらに多くのテーマが見つかります。ただし、テーマがWordPressのセキュリティ基準を満たしているか確認するためにも、信頼できるソースからのみダウンロードするのがよいでしょう。

質の高い無料WordPressテーマは機能やデザイン面で有料テーマに匹敵するものもあり、予算の限られた新規ユーザーにぴったりです。当社では、オンボーディング時にブログタイプを選択する際や、hPanelダッシュボードのWordPress概要 → 推奨インストールから選べる自社設計のHostingerオリジナルのブログテーマも提供しています。

また、WordPressテーマの中には、無料版とプレミアム版の両方が用意されているものもあります。まだお金をかける準備ができていない場合は、無料テーマから始めて、Webサイトが成長してきたら有料テーマに切り替えるのもよいでしょう。そうすることで、新しいWordPressサイトを立ち上げて運営するのに必要な費用をグッと抑えられます。
無料のプラグイン
WordPressプラグインはWebサイトの機能を拡張するツールやオプションを追加します。無料テーマと同様に、何千もの無料プラグインがWordPressプラグインディレクトリやさまざまなサードパーティのマーケットプレイスから入手可能です。
悪意のあるプラグインをインストールしないよう、公式リポジトリや信頼できるプラットフォームからダウンロードするのが鉄則です。

各プラグインでは、特定のタスクを実行するための機能セットが提供されます。当社がおすすめするWordPressプラグインをチェックして、プラグインがWebサイトにどのようなメリットをもたらすか見てみましょう。
WordPressテーマと同じく、多くの有料プラグインでは新規ユーザーが機能をテストするための無料版も用意されています。サポートや高度な機能が十分でないこともありますが、まずは無料版から始めて、必要に応じて段階的に拡張するのが賢いやり方です。
アップデート
WordPressのアップデートにより、バグを修正し、セキュリティの脆弱性を解消し、ソフトウェアがスムーズに動作するように最適化を行うことができます。WordPress本体やテーマ、プラグインを定期的に更新することで、Webサイトを潜在的な脅威から守り、効率的な運用が可能となります。
無料アップデートは、WordPress本体だけでなく、公式WordPressリポジトリのプラグインとテーマにも適用されます。すべてのサードパーティ製テーマやプラグインが常に更新されているわけではないので、定期的にアップデートされているものを選ぶのがポイントです。
WordPressの管理パネルから更新に移動して、最新版をいつでもチェックできます。Hostingerユーザーであれば、hPanelダッシュボードからWordPress自動更新を有効にすれば、新しいバージョンがリリースされるとすぐに自動でインストールされるので便利です。

WordPressサイト運営にかかる追加の費用
実際にWordPressサイトを世界に公開するには、レンタルサーバーとドメイン名の費用を支払う必要があり、高度な機能やユニークな外観を求める場合は、有料テーマやプラグインへの投資も検討せざるを得ません。
ここでは、新しいWebサイトを作る際に予想されるWordPressサイト運営にかかる費用の内訳を見ていきましょう。
レンタルサーバー
レンタルサーバーは、Webサイトをオンライン状態に保ち、訪問者がアクセスできるようにするために必要なサーバーリソースとストレージ空間を提供します。Hostingerのようなレンタルサーバー会社は、それぞれ特定のリソースと機能セットを含むサブスクリプションプランでレンタルサーバーを提供しています。
WordPress初心者や手間のかからない体験を求める忙しいプロ向けに、当社では月額469円から始まるWordPress向けマネージドホスティングプランをご用意しています。
これらのプランには、WordPress向けAIサイト作成ツールへのアクセス、スマート自動更新、マルウェアスキャナー、互換性チェッカーなどを含むEasy Onboardingプラグインが含まれており、メンテナンスを簡素化し、Webサイトを常に最新の状態で運用できます

ドメイン名
ドメイン名とは、Webサイトの住所のようなもので、文字、数字、記号で構成されます。独自ドメインを取得するには、ビジネスを表す利用可能な名前を見つけ、ドメインレジストラに登録する必要があります。
ドメイン名の価格は選択するトップレベルドメイン(TLD)によって変わり、例えばHostingerでも人気の.com拡張子は初年度4.99ドルです。また、当社の年間レンタルサーバープランを購入すれば、初年度は無料ドメイン名も手に入れられます。
有料テーマ
無料のテーマの場合は手頃に始められますが、カスタマイズオプションや機能が限られているため、Webサイトを成長させる上では不十分です。そのため、サイトで収益を得たい場合や強力なブランドを構築したい場合は、有料テーマへの投資が必要になるでしょう。
例えば、 AstraのProバージョンは、デザインとカスタマイズのオプションが大幅に増えていますし、Kaliumは拡張ライセンスも提供しており、テーマと一緒にWebサイトを販売することも可能です。
コーポレートサイトの構築を計画している場合は、ビジネス向けWordPressテーマのおすすめをチェックして、現在の市場価格帯を把握しておくとよいでしょう。
有料プラグイン
有料テーマと同じく、有料プラグインでは無料版よりも多くの機能とカスタマーサポートチャネルが提供されています。
例えば、SeedProdはドラッグ&ドロップのページビルダー、基本的なウィジェット、基本的なページテンプレートを無料で提供しています。有料版にアップグレードすると、高度なブロック、アクセスコントロール、WooCommerceとの統合、優先サポートなどの追加機能が使えるようになります。
Web開発
コーディングスキルがなくてもWordPressサイトをデザインすることは可能ですが、高度なカスタマイズには開発者の力が必要になることも少なくありません。
WordPress開発者を雇う費用は、作業の複雑さと経験によってかなり幅があります。予算内に収めるために、FiverrやUpworkなどのマーケットプレイスでフリーランス開発者を探すのも選択肢となるでしょう。料金の相場は時間あたり15〜28ドル程度です。
また、Web開発会社やWordPressデザイン会社はニーズに合わせたパッケージも提供しています。
サポートとメンテナンス
WordPressサイトの管理には、アップデート、セキュリティ、SEO、読み込み時間の最適化が欠かせないため、信頼性の高いレンタルサーバー会社を選ぶことが重要です。
例えば、HostingerではすべてのプランでDDoS対策、Cloudflareで保護されたネームサーバー、ファイアウォール、マルウェアスキャナーなどの機能を提供しています。また、WordPress向けマネージドホスティングのBusiness版とCloud版のプランでは、速度向上に役立つコンテンツ配信ネットワーク(CDN)も含まれています。
WP BuffsやMalCareなどのプラグインを使ってメンテナンスを簡略化したり、開発者やメンテナンスサービスを雇う、といった選択肢もあります。アップデート、セキュリティ、バックアップ、パフォーマンスチェックをカバーする基本的なメンテナンスサービスは月額30ドルから、高度なサービスになると月額500ドル以上かかることもあります。
WordPressを使用するメリット
WordPressをWebサイトに使用するべき理由は他にもたくさんあります。
- 拡張性のあるパフォーマンス:基本的なWebサイトから始め、必要に応じてプラグインやテーマから機能を追加できます。レンタルサーバーのプランがサイトの成長に不十分になった際には、簡単により多くのリソースを持つプランにアップグレードしたり、新しいレンタルサーバー会社に乗り換えることができます。
- 強力なSEO機能:WordPressは最初からSEOに対応しているのが強みです。さらに、豊富なWordPress用のSEOプラグインを使って、検索エンジンでのランキングを高めることができます。
- 内蔵のブログ機能:WordPressは元々ブログプラットフォームであるため、あらゆるタイプのブログを作るために必要な機能がすべて揃っています。ブログを作る予定がなくても、機能自体はすぐに使えるため、Webサイトへのオーガニックトラフィックを増やすのに役立ちます。
- 汎用性:膨大なプラグインライブラリのおかげで、WordPressサイトの機能を拡張して、さまざまなニーズに対応できるのも魅力的です。開発者にとっては、オープンソースの性質を活かして、高度なカスタマイズや他のソフトウェアとの連携も可能です。
なぜWordPressは無料で利用できるのか?
WordPressは、才能ある開発者の世界的なコミュニティによって構築・サポートされているオープンソースソフトウェアです。つまり、オープンソースプロジェクトとして、WordPressは誰でも自由に使用、修正、配布が可能で、そのコードも公開されており、誰でも中身を確認したり、調整・改善したりすることができます。
コア開発チームがプロジェクトを主導していますが、世界中から何千人もの貢献者が参加し、バグ修正や新機能の追加、WordPressを改善するためのアイデアを提供しています。こうした仕組みのおかげで、実際のユーザーのニーズに応じて常に進化するプラットフォームが実現しているのです。
非営利団体であるWordPress財団がこのプロジェクトを監督し、WordPressが誰にとってもアクセスしやすい状態を維持できるように努めています。財団は営利目的でないため、プラットフォームの成長と維持は、個人開発者やテーマやプラグインなどWordPressを取り巻くサービスを構築する企業からの寄付によって支えられています。
こうした協力的な取り組みこそが、WordPressが無料で利用できるだけでなく、長期的に信頼できるサービスとなっている理由でもあるのです。コミュニティ主導だからこそ、WordPressは実際に使用している人々からのフィードバックに基づいて改善され、セキュリティ、機能の豊富さ、最新技術との互換性を維持する定期的なアップデートが行われています。
まとめ
セルフホスティング型のWordPressは無料でオープンソースであるため、無料プラグインや無料テーマを使ってWebサイトを作れますが、Webサイトを実際に公開するには、レンタルサーバーとドメイン名の費用が必要になります。
- レンタルサーバー:WordPress向けマネージドホスティングは月額299円から
- ドメイン名:.comドメインは4.99ドルから、または当社の年間レンタルサーバープランの購入でドメイン名は初年度無料
予算に余裕があれば、次のような追加投資でWebサイトの外観とパフォーマンスをさらに向上させられます。
- 有料テーマ:スタイル、機能、テーマを提供するマーケットプレイスによって、価格はライセンスあたり2ドルからとさまざま
- 有料プラグイン:機能やプラグインが処理できるタスクの種類によって、価格は月額2ドルから
- Web開発者:フリーランス開発者は通常時間あたり15〜28ドルの料金で、総費用はWebサイトの規模と複雑さで大きく変わります
- サポートとメンテナンス:フリーランスや代理店は、一般的に月額30ドルから基本的なメンテナンスを提供しています
WordPress用のレンタルサーバープラン選びに悩んでいませんか?Hostingerの解説記事をチェックするか、下のコメントからご質問ください!
WordPressの費用に関するよくある質問
WordPress以外の選択肢はありますか?
最も人気のあるWordPressの代替としては、初心者向けのHostingerのサイト作成ツール、複雑なオンラインストアを構築するためのMagento、柔軟で拡張性のあるWebサイト向けのDrupal、使いやすさとカスタマイズ性のバランスが取れたJoomlaなどが挙げられます。
別のCMSからWordPressにWebサイトを移行することは可能ですか?
はい、2つの方法があります。WordPressインポータープラグインを使う方法と、プロの開発者を雇う方法です。技術に詳しくない方は、小さなミスでもデータ損失やセキュリティの問題につながる可能性があるため、開発者の力を借りるのがおすすめです。
WordPressを使用するためにコーディング知識は必要ですか?
いいえ、WordPressを使うのにコーディングスキルは必須ではありませんが、HTML、CSS、PHP、JavaScriptなどの知識があれば、Webサイトをより自由にカスタマイズできるのは事実です。WordPressの初心者向け学習コンテンツはたくさんあるので心配いりません。
WordPressサイトで収益を得ることはできますか?
はい、Google AdSenseによるクリック課金型広告、アフィリエイトマーケティング、オンラインストアの運営、会員制サイトの構築など、WordPressサイトで収益を得る方法はたくさんあります。