ネットショップ開業の7ステップ

ネットショップの開業は、自分のアイデアをビジネスに変え、世界中のお客様に届けるためのやりがいのある取り組みです。私がECサイトを始めたときも、明確な計画があることでどれだけ簡単になるかをすぐに実感しました。

このガイドでは、オンラインストアを始めるための7つのステップをご紹介します：

このガイドでは、eコマースの専門家による実体験に基づいた実践的なアドバイスもあわせてご紹介します。読み終える頃には、自信を持ってご自身のオンラインストアを構築するために必要なすべての知識が身につくでしょう。

1. オンラインで販売する商品を決める

まず、何を販売するのか、その商品がどれだけ収益性があるのか、需要があるのかを把握する必要があります。まずは販売したい商品のリストを確認し、トレンドをチェックすることから始めましょう。

私の場合、Googleトレンドの活用が大きな転機となりました。無料で使えて、操作もとても簡単です。 「調べる」ページにアクセスし、商品キーワードを入力して、他の商品と比較するだけ。例えば、3つのフィットネス器具の商品を比較して、どれがより検索されているかを調べてみます。

結果を見ると、過去12ヶ月間ではヨガマットへの関心が最も高く、オンラインで販売するのに最適な商品であることがわかります。

商品が決まったら、次は仕入れ方法を考えましょう。私の経験では、次の3つの方法がよく使われています：

• 自分で商品を作る：ユニークな商品を販売でき、品質を完全にコントロールできる点が魅力です。
• 既製品を仕入れて販売する：仕入先から商品を購入し、利益を上乗せして販売することで、品揃えや柔軟性が得られます。
• ドロップシッピング：在庫を持つ必要がないためリスクが低く、仕入先が直接顧客に商品を発送します。

商品と仕入れ方法が決まったら、次は効果的な価格設定を行いましょう。コストをしっかり把握し、目標とする利益を考慮して価格を決定してください。

2. ターゲットオーディエンスを明確にする

誰が自分の商品を購入するのかを知ることで、広告の出稿先やメッセージ内容、ストアのデザインまで、さまざまな判断がしやすくなります。全員にアピールしようとするのではなく、自分の商品に最も高開く関心を持っている人に焦点を当てましょう。

まずは、バイヤーペルソナ（顧客像）を作成することが重要です。これは、理想的な顧客について「どんな人か？」を明確にするシンプルなプロフィールで、次のような質問に答える形で作成します：

• 年齢は？
• 住んでいる場所は？
• どんなことに興味がある？
• 顧客のどのような悩みを商品が解決できるか？

例えば、再利用可能な水筒を販売する場合、ターゲットオーディエンスはフィットネスやサステナビリティに関心のある人たちかもしれません。彼らは20代～30代で、都市部に住み、SNSでエコ関連のトレンドをフォローしている可能性があります。こうした人たちにリーチするには、次の方法があります：

• #エコな暮らしや #水分補給など、商品に関連するハッシュタグでSNS検索を行い、誰が投稿・交流しているかを確認する。
• Xのハッシュタグ検索やFacebookグループなど、自分の商品ジャンルに関連するオンラインコミュニティに参加して、人々がどんな話題について話しているかを観察する。
• Instagramなどのプラットフォームで競合他社のフォロワーをチェックし、すでに似た商品に関心を持っている人を把握する。

バイヤーペルソナを明確にし、どこでその人たちに出会えるかが分かったら、それをすべての判断基準に利用しましょう。ターゲットオーディエンスを理解することで、より効果的にアプローチでき、ビジネスの成長につながります。

3. ブランドを構築する

ゼロからブランドを構築するのは楽しいプロセスです。オンラインストアを立ち上げるために必要な基本要素となる、ブランドの価値観を明確にすること、ビジネス名を決めること、そしてビジュアルアイデンティティを作ることが含まれます。

ブランドの価値観を明確にする

ブランドの価値観は、ビジネス名、ビジュアル、メッセージなど、すべての基盤となるものです。私は次のように自分に問いかけてみました：

• 自分のビジネスは何を大切にしているのか？
• 顧客がブランドと接した時にどんな気持ちになってほしいのか？
• 自分の商品はその価値観をどのように反映しているのか？

Twigs Paperの創業者、Eric Koenig氏にも、自身のブランドでどのように取り組んだのかを聞いてみました。

ビジネス名を決める

ビジネス名は、顧客にとっての第一印象であり、ブランドの方向性を決めるものです。商品のメリットやターゲットとなる顧様について考えながら決めましょう。

例えば、環境にやさしい成分を使用したキャンドルを販売する場合、Pure Earth Candle Co.やForest & Wickのようなビジネス名が考えられます。

ビジネス名が決まったら、（yourbusinessname.comなど）対応するドメインが利用可能か確認しましょう。ビジネス名と一致するドメインを取得することで、オンラインで見つかりやすくなり、ブランドの信頼性も高まります。

私自身は、当社のドメインの空き状況検索ツールを使って、希望する名前が利用できるかどうかを調べています。このシンプルなツールでは、すでに使用されているドメイン名と、代わりに使える候補が表示されます。

ドメイン名チェッカー

ドメイン名チェッカーで、すぐに空き状況を確認できます。

ブランドアイデンティティを構築する

ビジネス名と価値観が決まったら、それらを視覚的に表現し、ブランドの世界観を築いていきましょう。ブランドの雰囲気や価値観を反映した色、フォント、ロゴなどを考えてみてください。

• ロゴ：シンプルで覚えやすいデザインにしましょう。Canvaのようなツールなら、使いやすく、既成のテンプレートも豊富です。
• カラーパレット：ブランドの個性を表す2〜3色を選びましょう。例えば、エコなイメージならグリーン、エネルギッシュな印象ならビビッドなレッドなど。
• フォント：すべてのデバイスで読みやすく、プロフェッショナルな印象を与えるフォントを1〜2種類選びましょう。

4. ビジネス形態を選び事業登録を行う

ビジネス形態の決定と事業登録は、なるべく早めに済ませておくことが大切です。これにより、オンラインストアの法務・税務の基盤が整い、後々のトラブルを防げます。難しく感じるかもしれませんが、実はシンプルですので、基本的な流れを順番にご紹介します。

まず、ビジネス形態を決めましょう。初心者に人気のある選択肢は、個人事業主か合同会社です。個人事業主は最もシンプルで小規模な事業に最適、合同会社はより大きなビジネスに向いています。

長期的な成功を目指すなら、最初から合同会社を選ぶことをおすすめします。合同会社のほうが安心感があり、将来的な拡張性もあるため、後からビジネス形態を変更する心配がなくなります。

さらに、合同会社はお客様ご自身の個人資産を保護します。法的トラブルや負債が発生した場合でも、債権者が差し押さえられるのは合同会社の資産のみであり、お客様の自動車、住宅、銀行口座などの個人資産は守られます。

次のステップは、事業登録です。アメリカでの登録を想定した、シンプルなチェックリストをご紹介します：

• ビジネス名を確定する：登録が可能なこと、ドメイン名として利用できることを確認しましょう。ビジネス名と一致するドメインを取得することで、ブランドの信頼性が高まり、オンラインストアも見つけやすくなります。
• 事業用の住所を登録する：自宅住所または専用の事業用住所を登録します。一部のプラットフォームでは、本人確認のために住所登録が必要です。
• 事業関連の書類を提出する： 合同会社（LLC）の場合は、法務局に設立登記申請書や定款などの書類を提出します。個人事業主の場合は通常、開業届を税務署に提出するだけで完了します。
• 税務署で法人番号や登録番号を取得する： 法人番号は、ビジネス専用のマイナンバーのようなもので、事業用銀行口座の開設や税務管理に必要です。
• 必要な許可や免許を確認する：事業内容によっては、保健所の許可や古物商許可など、特別な許可・免許が必要になる場合があります。
• 事業用の銀行口座を開設する：事業専用の銀行口座を作成することで、資金管理が整理しやすくなります。個人のお金と事業のお金を別々に管理することで、資金管理や記帳がシンプルになります。

アメリカ以外の国にお住まいの場合は、お住まいの地域でオンラインストアを登録する際の法的要件を必ず確認しましょう。例えば、カナダでは、オンラインで商品やサービスを販売するには、ビジネスナンバーやGST/HSTアカウントが必要です。

5. オンラインストアを構築する

ECサイトプラットフォームの選定から決済ページの設定まで、このステップではオンラインストアの公開に向けて準備を進めます。

1. ECサイト構築プラットフォームを選ぶ

適切なプラットフォームを選ぶことで、ストアの構築が簡単になり、将来的な成長にも対応できます。手軽にすばやく始めたいなら、HostingerのECサイト構築ツールがおすすめです。

初心者にも使いやすく、オンラインストア運営に必要な機能が充実しています。例えば次のような機能があります：

• オールインワン型のストア管理機能：決済ページから在庫管理まで、オンラインストア全体を1つの管理パネルで操作できます。
• AI活用型のツール：AI画像生成ツールやヒートマップなど、オンラインストアの質を高めるツールが揃っています。
• 販売手数料0％： 多くのプラットフォームと異なり、Hostingerでは利益をそのまま確保できます。
• 複数の決済ゲートウェイ：PayPalやStripeなど、安全な決済オプションを顧客の好みに合わせて提供できます。
• 多言語対応：グローバルな顧客に向けて、複数の言語をオンラインストアに簡単に追加できます。
• Google広告アプリ：管理パネルから直接、P-Max（パフォーマンスマックス）キャンペーンでストアの宣伝ができます。

ECサイト向け機能に加えて、サイト作成ツールにはセキュリティ対策やパフォーマンス最適化機能も備わっており、オンラインストアを快適に運営できます。月額469円から利用でき、初めてのオンラインストアにも最適です。

2. オンラインストアを作成する

ECサイト構築ツールプランを購入したら、次はいよいよWebサイトの作成です。AIを活用することで、作成作業が大幅にスピードアップするのでおすすめです。私なら次のように進めます：

• Webサイトの種類、ビジネス名、説明を入力します。商品、所在地、ブランドの価値観なども詳しく入力しましょう。より自分に合ったデザインが作成されます。
• カラーやフォントを指定してデザインをカスタマイズします。例えば、「アースカラーを使い、Montserratのようなシンプルなフォントにしたい」と伝えると良いでしょう。
• 「Webサイトを作成」をクリックすれば、あとはAIが自動でデザインを作成してくれます。たった数秒で、すぐに使えるデザインが完成します。

次のステップでは、オンラインストアのプレビューモードが表示されます。

このプレビューモードでは、Webサイトの各ページを確認できます。別のデザインに変更したい場合は、左上の「AIフォームに戻る」をクリックしましょう。このデザインで問題なければ、右上の「編集」をクリックして次のステップ、オンラインストアの設定に進みます。

まずは、ストアの国と通貨を追加し、「次へ」をクリックします。その後、設定画面はストアマネージャーに移動します。

オンラインストアの設定は、これからご紹介する4つのステップで完了します。

3. 商品を追加する

ストア設定の最初のステップは、商品を追加することです。インポートまたは手動でアップロードする方法があります。「商品を追加」に進み、商品タイプを選択しましょう。有形商品を販売する場合は、複数の商品を一括でアップロードすることもできます。

アップロードが完了すると、すべての商品が「商品」ページに表示されます。

次に、各商品の編集を行い、商品説明、価格、カテゴリーなどの必要な情報を追加します。

商品情報を編集する際には、次のポイントを意識しましょう：

• 商品カテゴリー：まずは「新着商品」や「定番商品」など、シンプルなカテゴリーから始めましょう。これにより、顧客は特定の商品を見つけやすくなります。商品数が増えたら、さらに細かいカテゴリーを作って整理しましょう。
• 商品SEO：検索エンジン対策として、メタタイトル、メタディスクリプション、キーワードを設定しましょう。これにより、商品ページが検索結果に表示されやすくなります。

おすすめの関連記事

商品ページのレイアウトやデザインなどを変更する方法については、商品ページに関するガイド（英語版）をご覧ください。

4. 決済ゲートウェイを設定する

複数の決済オプションを提供することは、ショッピングの利便性を高め、ユーザー体験を向上させるため、EC業界の主要なトレンドのひとつとなっています。

Hostingerのサイト作成ツールでは、Stripe、PayPal、クレジットカードやデビットカードなど、さまざまな決済オプションに対応しています。地域によっては、独自の決済方法が好まれる場合もあります。たとえば、dLocal Goは南米市場向けに最適な決済オプションです。

決済ゲートウェイを連携するには、「ストアマネージャー」→ 「決済」の順に進みます。

できるだけ多くの決済ゲートウェイを連携することをおすすめします。顧客にとっての選択肢が増えることで、スムーズに購入してもらえる可能性が高まります。

5. 会社情報を更新する

次のステップでは、請求書に会社情報を追加します。これにより、ブランドイメージが強化され、オンラインストアにプロフェッショナルな印象を与えることができます。設定するには、「ストアマネージャー」→「設定」→「会社情報」に進みます。

ビジネス名とロゴを追加します。次に、連絡先情報と住所を入力します。実店舗の住所がない場合は、配送元住所を代わりに入力しましょう。

注文を受けたら、請求書を確認・管理できます。また、テスト注文を作成して、請求書の見え方を事前に確認することもできます。

6. 配送と決済方法を設定する

まずは、Webサイトの配送設定を調整しましょう。ストアマネージャーのホームページから、「設定」→ 「配送」 に進みます。「ゾーンを作成」をクリックし、配送に関する詳細を設定します。

配送ゾーンに名前を付け、対象の国を追加します。例えば、私の場合、「北米」として、アメリカ、カナダ、グリーンランドを追加しました。

設定が完了したら「保存」をクリックし、次に配送オプションをカスタマイズします。

• 配送オプションを作成し、名前を付けます（例：通常配送、速達配送）
• 配送料金を設定します。
• 配送条件タイプを追加します。商品価格や重量に応じてカスタマイズすることができます。

次に、設定した配送地域に対応した信頼できる配送業者を見つけ、各社の配送料金を追加しましょう。

まずは普段利用している配送業者から始め、徐々に検討範囲を広げていくとよいでしょう。

決済ページの設定では、まずストアの利用規約とプライバシーポリシーのリンクを追加することから始めます。設定するには、「ストアマネージャー」 → 「設定」 → 「決済」 に進みます。

決済ポリシーのチェックボックスにチェックを入れ、利用規約やプライバシーポリシーなどの法的ページを追加します。全ての決済設定が完了したら、「保存」をクリックしましょう。

上記の6つのステップに従うことで、オンラインストアを構築できます。それぞれのステップを忘れることなく、設定を完了しましょう。

7. オンラインストアを公開する

オンラインストアの公開は、これまでの作業の集大成となるステップです。まずは、ストアマネージャーですべてのページと機能を確認しましょう。次に、右上の「Webサイトを編集」をクリックして、エディターページに進みます。ここで、Webサイトをプレビューしたり、ドメイン名を接続したりできます。

準備が整ったら「公開する」をクリックして、オンラインストアを公開しましょう。

6. オンラインストアのマーケティングを開始する

ストアの準備が整ったら、次はプロモーションです！マーケティングを行うことで、新しいお客様にリーチし、リピーターを増やせます。

まずは、SNSのプロフィール作成から始めましょう。およそ82％の消費者が商品を見つけたり調べたりする際にSNSを利用しており、オンラインストアの認知度向上に役立ちます。

TikTokはますます人気が高まっており、54％のビジネスオーナーがこのプラットフォームで自社ブランドを宣伝しています。TrafficBeesのCharlotte Ang氏に、TikTokが最も効果的なマーケティングチャネルのひとつになり得る理由と、コンテンツを作成する際に意識すべきポイントについて伺いました。

SNSで積極的に交流すると、コミュニティづくりにもつながります。関心の高いコミュニティができれば、口コミによるマーケティングが生まれ、顧客との継続的なつながりを生み出す上でも効果的です。

私がもう一つおすすめする戦略は、開業記念割引を提供することです。割引はお客様にワクワク感を与え、すぐに購入する理由になります。HostingerのECサイト構築ツールなら、ストアマネージャーページから割引コードを簡単に設定できます。

さまざまな戦略を試しながら、お客様にとって最も効果的な方法を見つけていきましょう。

7. 成長とパフォーマンス向上を目指して最適化する

ビジネスを競争力のあるものに保ち、顧客に満足していただくためには、継続的な改善が欠かせません。ストアを最適化することでパフォーマンスを維持し、顧客のニーズに応えながら常に新鮮な状態を保つことができます。

まずは、顧客からのフィードバックを集めましょう。ストアでの体験についてどのように感じているかを聞き、その意見をもとに改善していきます。MerchaのBen Read氏から、フィードバックが顧客満足度の向上にどう役立つかについて聞いてみました。

次に、Webサイトの分析を行いましょう。GoogleアナリティクスをWebサイトに連携して、重要な指標を計測します。これには、ページビュー数、クリックスルー率（CTR）、コンバージョン率などが含まれ、Webサイトのどの部分が効果的で、どこに改善の余地があるのかを確認できます。

3つ目は、最新のトレンドや顧客の好みに合わせて、Webサイトや商品セクションを定期的に更新することです。例えば、次のような取り組みが効果的です：

• 新商品や季節限定商品を追加して、在庫に新しさを持たせる
• ターゲットとなる顧客に響く、高品質な商品画像に差し替える
• Webサイトのバナーやホームページを、キャンペーンやトレンド商品に合わせて更新する

フィードバックをもとに改善を重ね、トレンドに合わせて更新し続けることで、顧客の関心を引きつけ、長期的な成長につなげることができます。

まとめ

オンラインストアの立ち上げは、1つ1つステップを踏めば決して難しくありません。

まとめると、オンラインストアを始めるまでには次の3つのステージがあります：

• 事前準備：販売する商品を決め、ターゲットとなる顧客を特定し、強力なブランドを構築して、ビジネスを登録します。
• 公開準備：オンラインストアを作成し、商品を追加し、スムーズに公開できる状態に整えます。
• 公開後：顧客を集めるためにストアをマーケティングし、フィードバックやトレンドに基づいて継続的に改善します。

どのステップも、成功するオンラインストア作りに一歩近づくための大切なプロセスです。今すぐオンラインストア作りを始めましょう！

オンラインストアの始め方に関するよくある質問