ドメインリダイレクトの設定方法|SEO効果を保ったままドメイン転送する手順

ドメインリダイレクトの設定方法|SEO効果を保ったままドメイン転送する手順

URLリダイレクトは、ユーザーを元のURLから新しいURLへ自動的に転送するサーバー機能です。301や302といったHTTPステータスコードを使って実現されています。

ドメイン転送とも呼ばれるこの機能を活用すれば、訪問者を確実に正しいWebサイトへ案内できます。また、検索エンジン最適化(SEO)の効果を維持しながら、重複コンテンツを防ぎ、サイト構造の変更も安心して行えるのが大きなメリットです。

この記事では、レンタルサーバー会社やドメインレジストラでの設定方法、DNS設定、.htaccessファイルを使ったリダイレクト設定の詳しい手順をご紹介します。さらに、様々なリダイレクトタイプのテスト方法やトラブルシューティングのコツも詳しく解説していきます。

URLリダイレクトは、1つのURLを別のURLに自動的に転送する仕組みです。Webサイト運営者にとって、訪問者が間違ったドメインやURLを入力してしまった場合でも、正しいページへスムーズに誘導できる便利な機能といえるでしょう。身近な例として、ユーザーがgoogl.comと入力してしまった場合を考えてみてください。Googleはこれを自動的にgoogle.comへリダイレクトすることで、ユーザーが迷うことなく目的のサイトにたどり着けるようにしています。

ドメインリダイレクトの前提条件

URLリダイレクトを設定する前に、以下の準備を整えておく必要があります。

  • ドメイン設定へのアクセス権限 ‒ レンタルサーバー会社またはドメインレジストラのアカウントで、URLリダイレクトツールやDNS設定を管理できる状態にしておきましょう。
  • Webサイトのバックアップ ‒ 万が一のデータ損失に備えて、Webサイトのコンテンツと設定を事前にバックアップしておくことが大切です
  • メール転送の準備 ‒ ドメインにメールアドレスが紐づいている場合、リダイレクト後も新しいドメインでメールを受信できるよう、メール転送設定を忘れずに行ってください。
  • FTPまたはSSHアクセス ‒ .htaccessファイルを編集してURL転送を設定する場合は、Webサイトのサーバーファイルにアクセスできる環境を準備しておきます。

ドメイン名をリダイレクトする4つの方法

ここでは、最もシンプルな方法から順に、4つのドメインリダイレクト設定方法をご紹介します。あなたの状況に最も適した方法を選んでください。

レンタルサーバーアカウントからの設定

多くのホスティングプロバイダーでは、管理画面からドメインリダイレクトを簡単に設定できます。HostingerのhPanelを例に、具体的な手順を見てみましょう。

  • Websites(ウェブサイト)」ページに移動し、リダイレクトしたいWebサイトの横にある「Manage(管理)」ボタンをクリックします。
  • 左サイドバーの「Domains(ドメイン)」→「Redirects(リダイレクト)」にアクセスします。
  • 必要な情報を入力していきます。
    • 「Redirect(リダイレクト)」 – リダイレクトしたいドメインを選択します。
    • 「/path(パス)」 – 必要に応じて、リダイレクト用のカスタムパスを指定します。
    • 「Redirect to URL or IP(URLまたはIPへのリダイレクト)」 – 転送先の種類を選択します。
    • 「Redirect to(リダイレクト先)」 – ドメインリダイレクトの転送先を入力します。
  •  完了したら「Create(作成)」をクリックします。

ドメインレジストラアカウントからの設定

ホスティングプランを利用していない場合でも心配いりません。Hostingerではドメインのみのアカウント向けに転送機能を提供しています。ドメインリダイレクトと同じように、自動的にトラフィックを元のドメインから新しいドメインへ転送してくれます。

Hostingerドメインレジストラアカウントからドメイン転送を設定する手順をご紹介します。

  •   hPanelで「Domains(ドメイン)」ページに移動し、リダイレクトしたいドメインの横にある「Manage(管理)」を選択します。
  • Domain Overview(ドメイン概要)」セクションで下にスクロールし、「Forward your domain to an existing website(ドメインを既存のWebサイトに転送)」を選択します。
  • Forwarding(転送)」タブ内で転送先URLを入力します。
  •  Hostingerはデフォルトで「302 Temporary Redirect」に設定されています。「Advanced options(詳細設定)」をクリックし、「Permanent (301)」を選択して永続リダイレクトを設定しましょう。
  • 完了したら「Create(作成)」をクリックします。

DNSレコードを使用する方法

ドメインネームシステム(DNS)は、ドメイン名をIPアドレスに変換する重要な仕組みです。ユーザーがブラウザにドメイン名を入力すると、DNSシステムが該当するIPアドレスを見つけて、ユーザーを目的のWebサイトへ案内してくれます。

DNSレコードでドメインをリダイレクトする場合は、古いドメインを新しい転送先のドメインまたはIPアドレスにリンクする「CNAME」または「A」レコードを作成します。

Hostingerアカウントでの設定方法をご説明します。

  • hPanelで「Websites(ウェブサイト)」ページに移動し、リダイレクトしたいWebサイトの横にある「Manage(管理)」ボタンをクリックします。
  • 左サイドバーの「Advanced(詳細設定)」→「DNS Zone Editor(DNSゾーンエディター)」にアクセスします。
  • 「Manage DNS records(DNSレコード管理)」セクションで新しいDNSレコードを入力します。
  • Type ‒ ドロップダウンメニューから「CNAME」を選択します。
  • Name (host) ‒ 古いドメイン名を表す「@」を入力します。
  • Points to(転送先) ‒ 転送先Webアドレスを追加します。
  • TTL ‒ デフォルトのTTL値14400秒をそのまま使用します。
  • Add Record(レコードを追加)」を選択して設定を保存します。
  • 下にスクロールしてDNSレコードのリストを確認し、同じ「@」ホストに設定された競合するレコードがあれば「Remove(削除)」してください。

なお、DNSの反映には最大24時間かかる点に注意しておきましょう。完了すると、古いドメインにアクセスした訪問者が新しいWebアドレスに自動転送されます。Hostingerネームサーバーを使用しているドメインなら、地域別の反映状況をリアルタイムで確認できます。

.htaccessファイルの変更

この方法は、より高度なリダイレクト設定を行いたい場合に最適です。複雑なリダイレクトルールの実装や複数のリダイレクト管理が可能になるため、WebサイトのURL構造をより細かく調節できます。

.htaccessファイルはファイルマネージャーまたはFTPクライアントを使って編集できます。ここでは、Hostingerのファイルマネージャーを使った簡単な方法をご紹介します。

  • hPanelから「Files(ファイル)」→「File Manager(ファイルマネージャー)」に移動します。
  • リダイレクトしたいドメインにリンクされたWebサイトの「Access files(ファイルにアクセス)」を選択します。
  • public_html」ディレクトリに入り、「.htaccess」ファイルをダブルクリックして編集画面を開きます。
  • RewriteEngine On」行の下に以下のリダイレクトルールを追加して、301永続リダイレクトを設定します。
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^mydomain.com [NC,OR]
RewriteRule ^(.*)$ https://targetdomain.com/$1 [L,R=301,NC]

mydomain.comtargetdomain.comを実際のWebアドレスに置き換えることを忘れないでください。

302一時リダイレクトを設定したい場合は、「R」の値を「302」に変更します。

  • 完了したら「Save(保存)」をクリックします。

ドメインリダイレクトのテストとトラブルシューティング

ドメインリダイレクトを設定した後は、動作確認が欠かせません。古いWebアドレスを異なるブラウザやデバイスで入力し、新しいURLに正しく移動するかをチェックしましょう。

さらに、リダイレクトチェッカーを使ってドメインリダイレクトをテストすることをおすすめします。ほとんどが無料で利用できるので、検索エンジンで「Redirect Checker」や「Sitechecker」といったキーワードで探してみてください。

ドメインリダイレクトが正常に動作しない場合は、以下のトラブルシューティング方法を試してみてください。

  • リダイレクトタイプを確認する ‒ リダイレクトが永続(301)または一時(302)のどちらを意図しているかを明確にしましょう。間違ったリダイレクトタイプを使用している場合は、古い設定を削除して上記の手順に従って新しいリダイレクトを作成してください。2つのリダイレクトタイプの違いについては、次のセクションで詳しく説明します。
  • ブラウザキャッシュをクリアする ‒ Webサイトの最新バージョンを表示していることを確認します。
  • DNSレコードを確認する ‒ DNSレコードを変更した場合は、「DNS Checker」を使用して完全に反映されているかを確認しましょう。
  •  タイプミスや設定ミスを確認する ‒ リダイレクト元のURLとリダイレクト先のURLが正しく設定されているかを確認します。

エラーが解決しない場合は、レンタルサーバー会社またはドメインレジストラにサポートを依頼してください。Hostingerのカスタマーサクセスチームは年中無休でリダイレクトの問題をサポートしています。

ドメインリダイレクトの種類

ドメインリダイレクトには複数のタイプがあり、期間や用途によって使い分けられます。SEOスコアにも影響を与える可能性があるため、あなたのニーズに最適なタイプを選ぶことが重要です。各タイプの特徴を詳しく見ていきましょう。

301リダイレクト

永続リダイレクトとも呼ばれる301リダイレクトは、Webサイトを新しいドメインに移動する際によく使用されます。リンクエクイティ(被リンクの価値)を新しいドメインに受け渡し、他のWebサイトからのリンクを維持するため、古いドメインの検索ランキングを保持できます。このリダイレクトタイプはマスキングなし(転送のみ)でもあり、訪問者のブラウザでURL変更がはっきりと表示されます。

302リダイレクト

302リダイレクトは一時的なリダイレクト方法で、大規模なWebサイトメンテナンスやA/Bテストなどの短期間の目的でよく使用されます。リダイレクト先のURLにSEO価値を受け渡すことはありませんが、訪問者のブラウザではURL変更が表示されます。

マスクリダイレクト

マスクリダイレクトまたはURLフレームは、ブラウザのアドレスバーに元のURLを保持したまま、転送先のコンテンツを表示する仕組みです。このリダイレクトタイプでは、コンテンツが実際には別の場所にあるにもかかわらず、元のドメインにあるように見せかけることができます。

多くのマーケターがアフィリエイトマーケティングやブランディング目的でマスクリダイレクトを使用していますが、長期的にはSEOに悪影響を与える可能性があります。検索エンジンが重複コンテンツとして識別し、転送先ドメインのSEO評価を損なう恐れがあるためです。

こうした理由から、すべてのレンタルサーバー会社やドメインレジストラがマスクリダイレクトをサポートしているわけではありません。ただし、「.htaccess」ファイルを編集することで、マスクリダイレクトを手動で設定することは可能です。

まとめ

ドメインやURLのリダイレクトは、Webサイトの移行やリブランディング、サイト再構築を行う際に、ユーザーエクスペリエンスとSEO効果を維持するための重要な手法です。1つのドメインを別のドメインにリダイレクトする方法は主に4つあります。

  • レンタルサーバー会社のドメインリダイレクトツールを使用する
  • ドメインレジストラの転送機能を使用する
  • DNSレコードを変更する
  • .htaccess」ファイルにリダイレクトルールを追加する

Webサイトに最適な結果を得るためには、目的やニーズに適したリダイレクトタイプを選択することが大切です。

この記事が、検索エンジンランキングを損なうことなくドメインリダイレクトを設定する方法の理解に役立ったことを願っています。ご質問がある場合は、下記のよくある質問セクションを確認するか、コメント欄でお気軽にお聞かせください。

ドメインリダイレクトに関するよくある質問

ドメインリダイレクトに関してよく寄せられる質問をまとめました。

なぜドメインをリダイレクトする必要があるのですか?

ドメインリダイレクトは、Webサイトのリブランディングやサイト再構築、ドメイン統合、プロトコル変更を行う際の一般的な手法です。リダイレクト設定により、訪問者が間違ったWebアドレスを入力したり、古いリンクをクリックしたりしても、確実に正しいWebサイトにアクセスできるようになります。さらに、ドメインオーソリティを保持し、リンク切れを防ぐ効果もあります。

複数のドメインを同じWebサイトにリダイレクトできますか?

はい、複数のドメイン名を同じWebサイトにリダイレクトすることが可能です。また、それぞれのドメインを転送先ドメインの特定のページにリダイレクトするように設定することもできます。

ドメインをリダイレクトするとSEOに影響はありますか?

正しく設定すれば、リダイレクトはリンクエクイティ(被リンクの価値)を統合し、重複コンテンツを防ぐことでドメインオーソリティを保持できます。ただし、不適切なリダイレクト設定は404エラーやリダイレクトチェーンを引き起こす可能性があります。リダイレクトチェーンとは、元のURLと最終的な転送先ページの間に複数のリダイレクトが存在する状況のことです。

Author
著者

Yūto Ōmura

イギリスから日本へ帰国後、翻訳者として8年従事。英国の大学ではメディア・映像を専攻し、以来、日英両言語にて10年以上複数のウェブサイトおよび動画メディアを運営。プライベートでは、料理をしたり、家族で小旅行に行ったりするのが好きです!